記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年、食生活の欧米化などにより「子どものメタボリックシンドロームが増えている」と言われています。果たしてこれは本当なのでしょうか?また、どのように治療していけばいいのでしょうか?
成人、または中年の人がなるイメージの強いメタボリックシンドロームですが、近年では子ども(小児期)の肥満・メタボリックシンドロームが増加しています。
子どものメタボリックシンドロームの診断基準は、以下の通りです。
子どもの頃に肥満やメタボリックシンドロームを発症すると、成人してからも肥満体形になりやすく、将来的な生活習慣病発症リスクも高くなると言われています。
子どものメタボリックシンドロームが増えた主な原因は、生活習慣の変化にあります。
特に大きく変化したのは子どもの食習慣で、近年では朝食を抜く一方で間食・夜食の頻度が増え、食事内容も脂っこいものが多くなったと報告されています。
また、食事以外では学校以外で身体を動かす子どもが減り、夜更かしする子どもが増えたことから、適切にカロリーを燃焼・代謝しにくくなっているとも言われています。
このように、食事と生活面の両方において習慣が乱れているために、子どもの肥満・メタボリックシンドロームが増えているのです。
子どもがメタボリックシンドロームを改善・治療するための方法として、食事療法と運動療法が行われます。
食事療法は、食習慣を健康的なものに見直し、体質の改善をめざす治療法です。具体的には、間食無しの規則正しい1日3食に戻し、揚げ物を控えて脂質の少ない野菜中心の内容に切り替えるなどします。
また運動療法とは、日常生活のなかに運動する時間を取り入れていく治療法です。具体的には、ゲームなど動かずに行う遊びの時間を制限し、その分ウォーキングや水泳などの有酸素運動を取り入れ、20分から1時間まで少しずつ運動時間を増やしていきます。
原則、これら2つの治療は並行して行われ、患者本人が子どもである性質上、両親など家族も一緒に行うことが期待されています。なお、これらの治療を行うときは、必ず小児科の医師の指導のもと実践してください。
生活習慣病のリスクを高めるメタボリックシンドロームは、大人だけの問題ではありません。子どもがかかると、大人になってからも肥満になりやすく、さまざまな病気の発症リスクが上がってしまいます。生活習慣を改善しつつ、必要なら小児科医に相談しながら、子どもの健康を守ってあげましょう。