記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
人はだれでも「怒り」を感じます。しかし、コントロールすることが難しい「怒り」は、数々の社会問題を起こすことがあります。怒りは抑えることができ、抑える責任がある感情なのです。
「怒り」を感じると、心臓はより速く拍動し、呼吸も速くなり、いかり肩や拳(こぶし)を握り締めるなどの徴候は、からだも反応していることに気づくでしょう。これらの徴候にに気づいたときは、落ち着いて怒りの状況から抜けだすことが重要です。
怒りを落ち着かせるためには、以下の方法を試してみましょう。
まず、ゆっくりと深呼吸しましょう。息を吸い込むときよりも吐き出すほうを長くし、吐き出すときにリラックスしましょう。怒っているときは息を吐き出すときよりも、吸い込むときが長くなっているので、息を吐き出すときを長くすることで落ち着くことができます。
深呼吸して、ゆっくり10まで数えてください。カウントしているあいだは冷静になる時間が得られるので、考えることができ、暴力を振るう衝動を克服することができます。
自分が怒っていることを認識し、落ち着かせることができたら怒りをコントロールする方法をみつけることができます。「なぜ怒っているか」を自問自答することで対処の仕方がみえてくるはずです。
役に立たない考え方を捨てましょう。「公平ではない」という考えは、怒っていることが何であれ、怒りを悪化させます。このような考えを捨てれば、落ち着きやすくなります。
次のようなフレーズも禁忌です。
「いつもそうする」
「私のいうことを決して聞かない」
「そうすべきだ」「そうすべきではないか」
「遅れてはいけない」「遅刻してはいけない」
「邪魔をしてはならない」
人が怒っていることをみせるのは、恐れや脅威を感じ、その不安を隠すために「攻撃する」という反応が出るといわれています。
「自分は何を恐れているのだろう?」と自問することで対処法がみえてくるでしょう。その怒りは、自分の思いどおりにならないためだったのかもしれません。その結果、責められたり、傷ついたりしたかもしれないということを恐れていたのかもしれません。これらのことを認識することで、考えと行動が変わってきます。
「怒りをコントロールすることは、幸福と満足感をコントロールすることと同じくらいのものです」と精神科医ジェームズ・ウーラード博士はいっています。怒りを上手にコントロールできる理性と知性をもった大人でいたいですね。