記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高熱や微熱が出て、大量に汗をかく「インフルエンザ」。お風呂に入りたくなりますが、発症中に入浴しても大丈夫なのでしょうか?以降で解説していきます。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって発症する病気で、感染後3日以内を目安に、急激に以下のような症状が現れてきます。
・激しい悪寒、筋肉痛、関節痛、倦怠感などの全身症状
・38〜40℃前後までの高熱
・腹痛、下痢、吐き気
・頭痛
・鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳 など
普通の風邪と違い、症状が短期間で一気に発症するのは、感染すると急激にウイルスが増殖して広がっていくという、インフルエンザウイルスの特性によるものです。
「風邪気味かな」と感じるような症状や期間がなく、急激に発症し、高熱が3日以上続くようであれば、インフルエンザの感染を疑った方が良いでしょう。
インフルエンザを発症すると、初期症状の悪寒や倦怠感が出てから、かなり短時間で38℃以上の高熱が出て、急速に体力を奪われていきます。
入浴は非常に体力を消耗するため、インフルエンザで発熱しているときにお風呂に入ると、体力を使い果たして症状が悪化したり、お風呂場で倒れてしまうリスクも考えられます。汗をかくのでお風呂に入りたくなりますが、高熱があるうちはやめておきましょう。
また、インフルエンザの種類によっては、高熱は出ずに微熱や倦怠感、食欲不振などが1週間ほど続くケースもあります。このように、熱があまり上がらない、下がってきたという場合にも、体調が思わしくなければ、体力を消耗する入浴は避けた方が無難です。
体調が悪いけどどうしても身体を洗いたいというときは、お湯で濡らしたタオルで身体を拭くなどで対処しましょう。
インフルエンザウイルスは、お風呂のような高温多湿の環境に弱い性質を持っています。湿度50%以上になると生存が難しくなると言われるため、湿度が80%を超えるお風呂場では、インフルエンザウイルスは死滅してしまう可能性がかなり高いでしょう。
しかし、ごくまれに脱衣所やタオルなど、感染者と共有したスペースや物に生存し、これらに接触によって、家族間での感染を拡げるケースがあります。
お風呂場でのインフルエンザ感染を防ぐには、発症から1週間程度を目安に、以下の接触感染防止対策を行うのがおすすめです。
・インフルエンザ感染者とタオルを共有しない。必ず個別にタオルを使用する
・感染者が触れたと思われるドアノブ、スイッチへの接触を避け、アルコールで除菌する
インフルエンザを発症したときの入浴について解説してきましたが、最後に、インフルエンザをぶり返さないために行うべき、入浴のポイントを3つご紹介していきます。
インフルエンザと闘った後の身体は、激しく体力を消耗しています。たとえ熱が下がり、症状が良くなっていても、インフルエンザからの完全な回復のために入浴は短めに済ませて、体力を温存しましょう。
また、お風呂から上がったら楽な服装に着替えて、できるだけ安静に過ごしてください。
インフルエンザウイルスは、気温が低く乾燥した環境を好みます。このような状態を作り、ウイルスを再び活性化させないためにも、あらかじめ脱所を温めておいたり、入浴後はすぐに髪を乾かすなどして、気温・体温の低下を防ぎましょう。
発熱は水分を奪うため、インフルエンザ患者は水分が不足する傾向が強いです。入浴はさらに水分と体力を消費するため、脱水症状を防ぐためにも、お風呂から上がったら多めに水分補給をしてください。
健康なときは特に意識していませんが、入浴はかなり体力を消耗する行為です。激しい悪寒や身体の痛み、高熱などの症状がでるインフルエンザの発症初期は、ウイルスとの闘いにかなりの体力を消耗しているので、入浴は避けるようにしてください。少し熱が下がっても、体調が悪いうちはまだ体力が戻っていません。インフルエンザにかかったときは、いつもと同じ状態とは思わず、十分に体力を戻してからお風呂に入ってくださいね。