記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/23 記事改定日: 2018/7/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
食事はさまざまなものをバランスよく食べることが大事ですが、そのバランスの中で実は、脂肪分、塩分、砂糖は必ずしも毎日必要というわけではありません。
では、何をどれくらい食べればバランスがいい食事ができるのでしょうか?
ここでは、健康的でバランスの取れた食事をとるために、栄養や食品ごとにどれくらいの量を食べるべきかを示していきます。
毎食ごとにバランス良く栄養をとれればいいのですが、忙しい人はなかなか難しいのではないでしょうか。
まずは、1日または1週間以上の食事全体がバランス良くなるようにしてみましょう。
そのとき大切なのが、食材を選ぶときには食品のラベルを見て、カロリー、脂肪、飽和脂肪、糖分、塩分が低いものを選ぶようにすることです。
また、以下のことにも注意しましょう。
果物や野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
果物や野菜を十分に摂取することは、毎回の食事でかなり気をつかわなければいけません。
食事量の3分の1以上は果物や野菜で補うように心がけ、いろいろな果物と野菜を1日に最低5種類食べることを目指しましょう。
デンプン質の多い食品は、1日の活動のエネルギー源になります。食事全体の3分の1は、デンプン質の多い食べ物を摂るようにしてください。全粒粉のパスタや玄米などの食物繊維が豊富な食品を選び、もしジャガイモを主食にするのであればの皮はつけたまま食べるようにしましょう。ただし新鮮なものを選び、必ず芽はとってください。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品からは、タンパク質とビタミンを効率よくとることができます。また、重要なカルシウム源でもあり、骨を強くしてくれます。可能であれば、1%脂肪乳、低脂肪チーズ、低脂肪プレーンヨーグルトなど低脂肪、低糖質製品を選ぶようにしましょう。
豆、豆類、魚、卵、肉などの食品は、タンパク質、ビタミン、ミネラルの供給源です。豆類は、脂肪が少なく食物繊維やタンパク質が多いため、肉の代替品としても使えます。ただし、肉を食べるときは脂肪のない肉やひき肉を選んで、赤肉やベーコン、ハム、ソーセージのような加工肉はあまり食べないようにすることをおすすめします。
また、週に2種類の魚を食べるようにしましょう。
不飽和脂肪酸はより脂肪になりにくい油脂です。植物油、菜種油、オリーブオイル、ヒマワリ油を含みます。ただし、脂肪になりにくいといっても、高カロリーであることには変わらないので、摂りすぎないように気をつけましょう。
チョコレート、ケーキ、ビスケット、甘いソフトドリンク、バター、アイスクリームがこれらの食品にあたります。食生活の必需品ではないので、食べる頻度と量を減らしてみましょう。
人の体の半分以上は水分でできており、成人では60%、子どもでは70%以上が水分で占められています。
体内の水分の多くは一つ一つの細胞の中に存在し、残りの水は血液や細胞の隙間を埋める細胞間液として存在しています。細胞の中の水は細胞が正常な働きをするために必要であり、血液は全身に酸素と栄養素を運ぶ重要な働きをしています。
また、体内の水分によって汗が分泌されますが、汗は体温調節を行う上で非常に重要な役目を果たし、体内の老廃物は水分と共に尿として排泄されます。
このように、人が生きていくためには水分が必要であり、体内の水分が不足している状態を脱水症と言いますが、脱水症では多くの症状が現れ、体重の10%以上の水分が失われると死に至ることもあるのです。
一日に必要な水の量は一般的には標準体型の男性であれば約3リットル、女性では2リットルと考えられています。しかし、これらはあくまで目安であり、年齢や運動量、持病によっても異なりますので注意しましょう。
栄養バランスを整えるには、食事内容を意識する必要があります。
ここでは、栄養バランスを整えやすいおすすめのおかずレシピをご紹介します。
豆腐は良質なタンパク質を豊富に含み、たぷりの野菜と一緒に食べることで低カロリーながら多くの栄養素を摂ることができます。
木綿豆腐はよく水切りし、ニンジン、パプリカ、トマトなどお好みの緑黄色野菜を適当な大きさにカットします。カットした野菜の上に豆腐を千切って乗せ、お好みのドレッシングをかければ完成です。
スープにすれば野菜もたくさんの種類を多く摂ることができます。
ニンジン、ピーマン、白菜などお好みの野菜とウインナーを適当な大きさに切り、適量の水でじっくり煮込みます。野菜がしんなりするまで煮込んだら、コンソメ顆粒を加え、更に15分ほど煮込んで完成です。
山芋を使ったチーズソースで野菜をグリルすれば、低カロリーでも豪華なメイン料理の完成です。
山芋はすりおろし、適量の出汁と味噌を加えてよく和えます。ここにピザ用チーズを投入し、チーズソースの完成です。あとは、お好みの魚介類と野菜をカットし、耐熱皿の上に乗せ、そこにチーズソースをかけます。オーブンで250度、10分程度グリルすればできあがりです。
食事をバランスよくするためには、脂肪分、塩分、砂糖は減らし、野菜やタンパク質、デンプン質を多くとることを意識するなど、いつもの食生活を見直すことが必要です。
ただ、毎回の食事で多くの食材を摂ったり完璧に栄養バランスを整えるのは難しいでしょう。
1日単位、1週間単位でバランスよく栄養が摂れるようにメニューを決めていくことが、長く続けるコツです。