記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/6 記事改定日: 2019/7/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足口病は毎年夏に流行し、子供の間でしばしば爆発的に流行する病気です。
今回は、手足口病の発疹について解説していきます。かゆみが出たときの注意点についても説明していくので参考にしてください。
手足口病とは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどといったウイルスに感染することで起こる病気で、毎年のように、特に乳幼児の間での集団感染が確認されています。夏風邪の一種とも言われており、7月下旬をピークとした夏期に流行することも特徴です。
手足口病では、ウイルスへの感染後3~5日の潜伏期をおき、一般的に以下のような症状が見られます。
病名が示す通り、手や足、口などに大きさ2~3mm程度の赤みを帯びた水ぶくれが生じます。手足口病の発疹は一見すると水ぼうそうの水疱にも似ており、場合によってはかゆみや痛みを伴うこともあります。
発熱が生じるのは症例全体の3割程度です。熱が出たとしても38℃前後で済むことがほとんどで、それ以上の高熱はまれだと言われています。
手足口病の症状は大抵3~7日で軽減するものの、下痢や嘔吐、頭痛などの症状が見られることがあります。こうしたケースでは重篤化が考えられるため、注意が必要です。
手足口病の発疹は以下のような部位によく生じます。
なお、発疹が生じる部位や発疹の量は個人差があり、発疹がほとんど見られない人もいれば、体中に無数の発疹が現れることもあります。
手足口病の発疹に痛みやかゆみが出ることはあまりありませんが、口の中にできた場合はひどい痛みが出ることが多いです。ときには、刺激が少ない食べものや飲みものでも、しみたり痛みを感じたりすることもあります。
また、皮膚の発疹であっても痒みや痛みを感じることがあります。
ただ、一般的には手足口病の発疹は特別な治療を行わなくとも1週間~10日ほどで自然に消えていき、かゆみや痛みも発疹の消失と同時に良くなっていきます。
自然に治まっていくので、痛みやかゆみがあってもステロイド薬などの強い薬が処方されることはあまりありません。
かゆみや痛みがあるときは抗ヒスタミン外用薬や内服薬などが処方されます。
とびびとは、「伝染性膿痂疹」のことで、主に黄色ブドウ球菌などの細菌によって皮膚に水疱ができる病気です。水疱は破れやすく原因菌が周辺の正常な皮膚に広がって次々に水疱を形成するようになるため、「とびひ(飛び火)」と呼ばれています。
手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスによるウイルス感染症ですが、水疱をかくと潰れ、そこに黄色ブドウ球菌が感染することでとびひを発症することがあります。
手足口病で水疱ができたときはなるべく掻きむしらないようにミトンを着用したり、かゆみがひどいときに患部を冷やすなどの対策が必要です。また、指先を常に清潔に保つため、こまめな手洗いを心がけましょう。
手足口病では、発疹に痛みやかゆみが出ることはあまりありません。ただ、皮膚の発疹にかゆみが出たときにかいてしまうと、とびひになってしまう可能性があります。
我慢できないようなかゆみがあるときは、早めに病院に相談しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。