記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスによって引き起こされる深刻な肝臓感染症で、血液の接触を通じて人から人へと感染します。
C型肝炎は慢性疾患で、肝硬変(肝臓の瘢痕化)および肝臓がんにつながる可能性があるため、医師による十分な監視が必要です。C型肝炎の肝硬変は肝不全の主な原因で、肝移植を必要とします。
C型肝炎に感染した人の大半は、何年も症状を発症しません。ただ、中には最初にウイルスに感染してから2週間~6カ月の間に、以下のような軽度のインフルエンザに近い症状が出る人もいます。
・軽度の疲労
・関節と筋肉の痛み
・吐き気
・食欲不振
・肝臓の病変部の圧痛
病気が進行するにつれて、C型肝炎は肝臓の損傷を引き起こす可能性があります。多くの場合、肝臓の問題が発生するまで症状はありません。肝臓に症状があらわれる場合、以下のような症状があらわれます。
・疲労
・吐き気
・嘔吐(おうと)
・食欲減退
・黄疸(肌と白目が黄色い)
・低悪性度の熱(38℃の発熱)
C型肝炎のはっきりした原因はまだわかっていませんが、最も一般的な原因はC型肝炎ウイルスによる感染です。このウイルスは、血液との接触を通じて人から人へと広がります。
静脈内投与で薬を使用する人は、ウイルスに感染した患者と針を共有するとC型肝炎になることがあります。医療従事者(医師、看護師、検査技師など)は、感染した患者に使用された針を間違って刺してしまった場合、感染する可能性があります。
また、1992年以前に輸血や臓器移植を受けていると、C型肝炎のリスクが高くなります(1992年に、血液検査技術が改善されました)。
入れ墨やボディピアスで使用される針で感染することもあります。まれにC型肝炎の母親から胎児に感染することがあります。
C型肝炎の治療法はまだ確立されていません。C型肝炎の治療の標準的な方法は、抗ウイルス薬の組み合わせです。治療終了後に血液中のC型肝炎のレベルを確認します。依然として相当量のウイルスが存在する場合、医師は別の治療法を検討します。6カ月~1年薬を服用した後、45~75%の方は再発しません。ただ、もし再発した場合は医師に相談してください。
また、近年ソバルディやハーボニーといった新規薬剤の登場によりC型肝炎治療は急激に進歩しています。
C型肝炎ワクチンはありません。C型肝炎を発症していて、B型、もしくはA型肝炎を発症したことがない場合、B型またはA型肝炎ワクチンを接種するかもしれません。
市販薬など、服用している薬については医師に相談してください。アセトアミノフェンを含む多くの医薬品は、肝臓によって分解され、肝臓の損傷の速度を増加させる可能性があります。また、肝炎のような肝臓病の進行を早めるので、アルコール使用を制限する必要があります。ときどき飲酒することもできますが、まず医師に確認してください。
治療薬の副作用は時間の経過とともに軽度になります。ただ、もし薬の副作用に苦しんでいる場合は、医師に相談してください。以下のような症状があらわれた場合は、薬の投与を中止することができます。服薬に関しては医師の指示に従ってください。
・吐き気
・嘔吐
・発熱
・疲労
・うつ病
感染した血液と直接接触しない限り、C型肝炎は伝染することはありません。C型肝炎は、くしゃみ、咳(せき)、握手、抱擁、キス、食器や飲み物の共有、プールでの水泳、公衆トイレの使用、またはドアノブ接触では感染しません。ただし、かみそりや歯ブラシのような個人的な道具は共有しないでください。
セックスをするときは、必ずコンドームを使用してください。C型肝炎になっている場合は、パートナーも検査を受けて、感染しているかどうかを確認する必要があります。子どもを産みたい場合は、まず医師に相談してください。このウイルスは、母親から胎児に容易に伝染するわけではないものの、予防措置を講じる必要があります。
医療従事者は、職場での標準的な安全対策に従ってください。
また、アルコールやその他の医薬品や肝臓にストレスをかける薬の使用を避けるために、健康的な食事を摂ったり、定期的な運動を心がけたりしましょう。
以下のような、うつ病のような症状に気付いた場合は、医師に相談してください。
・悲しく、絶望的な気持ち、泣きやまないことが頻繁にある
・楽しんでいたこと(セックスを含む)に興味や喜びを失う
・罪悪感、無力感、無価値感を感じる
・死や自殺を考える
・寝すぎてしまう、あるいは睡眠障害がある
・食欲不振および意図しない体重減少または増加
・常に非常に疲れている感じ
・注意を払うこと、意思決定に苦労する
・治療で改善しない疼痛(とうつう)や痛みがある
・落ち着かず、いらいらし、すぐ腹を立てる
・どのような治療法が最適ですか?
・治療が必要ですか?
・どのような薬を飲むべきですか?
・避けるべき薬はありますか?
・治療の副作用に対処するには?
・相談できるセラピストはいますか?
・治療はどれくらいの期間続くでしょうか?
・C型肝炎は治すことができますか?
・臓器移植や輸血は安全ですか?
・妊娠するのは安全ですか?