ウルソル酸

2017/10/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ウルソル酸はリンゴの皮に見られる分子で、アーユルヴェーダハーブの中では聖なるバジルと呼ばれます。現在、人の介入は行われていませんが、ウルソル酸は体の構成を整える有望な要因で、筋肉量を増やし脂肪量を減らします。しかし、避妊効果もある可能性があります。

概要


ウルソル酸はさまざまな植物に見られるファイトケミカルですが、特にリンゴの皮に存在するという事で最も有名です。ウルソル酸は、リンゴの皮に多く含まれる成分です。リンゴ以外にも、クランベリー、プルーンなど、多くの植物に含まれています。

ウルソル酸は満腹時には脂肪の蓄積を減らし、筋肉量の増加を向上させ、空腹時には体脂肪の燃焼を促進して筋肉が減るのを防ぐと考えられています。

また、血糖値やコレステロール、中性脂肪値を低下させる、老化したコラーゲンを元に戻すなど、その効果は多岐に渡ります。

昔からリンゴは様々な健康効果があるとされてきましたが、その多くはウルソル酸によるものかもしれません。

例えば肥満マウスにウルソル酸を含んだ食事を6週間摂取させたところ、摂取群は握力が増加し、上腕三頭筋と大腿四頭筋の筋量が増加しました。

さらに、摂取群は褐色脂肪細胞(エネルギーを消費し代謝を上げる脂肪細胞です)が増加し、消費エネルギー量も増加しました。

人を対象にした研究では毎食後に150mgのウルソルを摂取して、8週間に渡り筋力トレーニングを行ったところ、摂取群は除脂肪体重が1.1kg増加し、体脂肪率は3%減少したと報告されています。

また、マウスにウルソル酸を投与する試験では脂肪組織が減少するとともに、血糖値やコレステロール、中性脂肪値も低下したと報告されています。

注意事項

混同注意

ウスニン酸

摂取方法


動物実験ではウルソル酸の効果は食事の0.05~0.2%に含まれていました。これを人間の体重や食事量に換算すると1.6〜6.4mg/kg程度になります。ヒトを対象にした研究では、150mgを1日3回、つまり毎日450mgの摂取で、なんらかの生物活性が認められました。さらなる研究の蓄積が必要ですが、現状では150mgを毎日3回、食事と共に摂取するのが妥当と言えそうです。

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