記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病の症状として、「おしっこから甘い臭いがする」という話を聞いたことはありませんか?実は糖尿病だと尿の臭いだけでなく、体臭からも甘い臭いがすることがあるのです。以降では臭いの特徴や発生メカニズム、対策について解説していきます。
糖尿病だと、甘い体臭がするといわれています。この甘い臭いの正体は「ケトン体」で、糖尿病によってブドウ糖の代謝ができなくなった代わりに脂肪を分解する際に発生する物質です。また、糖尿病が進行すると発汗量が増えるため、ケトン体が血液に混じって汗として放出されることで、甘い体臭を発するようになると考えられています。
なお、糖尿病が進行するにつれて、甘い臭いから、果物が腐ったような甘酸っぱい臭いへと変化していきます。
体臭から、おしっこのようなアンモニア臭がする場合は、糖尿病ではなく腎臓病の可能性が高いです。アンモニアは体内でタンパク質を分解する際に発生するものですが、健康な人であれば、アンモニアは腎臓で尿素に変わり、尿として排出されます。しかし、腎臓の機能が低下している人はアンモニアを尿素に変えられず、汗として排出するようになります。これによって体臭からアンモニア臭がするようになるのです。
糖尿病による体臭を改善するには、根本的な原因である糖尿病自体の治療をきちんと行うことが重要です。自分でできる対策として、暴飲暴食を避け、脂っぽいものは控えて栄養バランスのとれた食事にし、定期的に運動するなど生活習慣を見直しましょう。特に肥満の人は糖代謝異常を起こしやすく、ケトン臭を発しやすいため、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で体内のインスリンの機能を改善し、痩せることが有効といわれています。
なお、体臭対策のサプリも販売されていますが、根本的な対策にはならないため、上記の方法で血糖コントロールをすることが最重要です。
糖尿病になると、尿だけでなく、体臭からも甘い臭いを発することがあります。特徴的な体臭や洗濯しても落ちない臭いに気づいたときは、病気のサインの可能性があるので、病院を受診を検討しましょう。