記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/19 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
頭痛、生理(医学的には月経というのが一般的です)痛、歯痛など、さまざまな痛みへの“痛み止め”として有効なロキソニン®ですが、妊娠中は服用を避けるよう指示されます。
妊娠したと気がつかずにロキソニン®を飲んでしまった・・・という場合に気になる赤ちゃんへの影響と対処法をお伝えします。
妊娠2~4カ月の間は赤ちゃんの臓器などが作られる時期のため薬の影響を受けやすいのですが、大量に服用したのでない限り赤ちゃんに及ぼす影響は少ないと考えられています。
妊娠初期にロキソニン®を服用すると、尿産生を抑制して赤ちゃんの腎障害や羊水過少を引き起こしたり、胎児の動脈管収縮によって動脈管(胎児に開通している血管)の早期閉鎖を起こす可能性があるため、服用は禁止されているのですが、短期間・少量の服用であれば赤ちゃんにはそれほど影響が無いと考えてよいでしょう。
ただし、妊娠中にロキソニン®を服用してしまった場合は期間や飲んだ量に関わらず、念のため医師の診察を受けるようにしてください。
また、妊娠後期にロキソニン®を内服し続けた場合、胎児の動脈管が閉じて栄養が行き届かなくなるリスクがあるので服用は控えてください。
ロキソニン®・ボルタレン®(ロキソニン®テープは)などに代表される、非ステロイド性消炎鎮痛薬に分類される湿布は妊娠初期および妊娠中を通して使用を避けるべき薬剤です。
妊娠中はロキソニン®テープの使用を控えてください。
また、下記のような効果がある薬剤に含まれる成分には血管を収縮させる働きがあるため、ロキソニン®と同じようにお腹の赤ちゃんの動脈管の早期閉鎖や腎障害、羊水過少を起こすリスクがあります。
妊娠初期はもちろん妊娠中を通じて、薬を選ぶときには上記のような薬剤を使わないように注意しましょう。
ロキソニン®は、胎盤を通して胎児に移行し、心臓の重要な血管である「動脈管」を収縮させる作用があることが知られています。
このため、妊娠中は原則的にロキソニン®を始めとした非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSIDs)の服用は禁止されています。
一方、妊娠初期に飲んでもよい鎮痛剤としては、アセトアミノフェンと呼ばれる成分が含まれるノーシン®やカロナール®などが挙げられます。
ただし、妊娠中はどのような薬であっても安易に自己判断で服用せず、使用する前に必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
少量かつ短期間の服用であれば、妊娠初期に妊娠しているとは知らずにロキソニン®を飲んでしまったという場合でも赤ちゃんへの影響はそれほど無いと考えられますが、念のため医師の診察を受けることをおすすめします。
また、妊娠がわかった時点でロキソニン®の服用は控え、他の薬剤を医師に処方してもらいましょう。