記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/26
記事監修医師
前田 裕斗 先生
日ごろから基礎体温を測っている女性もいると思いますが、妊娠初期の体温はどのようになるのかご存知でしょうか。
この記事では、妊娠してからの体温の変化について解説しています。妊娠検査薬を使うタイミングや病院を受診した方がいい目安についても紹介しているので、基礎知識として覚えておきましょう。
通常、基礎体温は排卵から生理が来るまでの間は高く、生理が来ると低くなります。
一方、妊娠した場合の基礎体温は、高温期の状態を長く保ち続けます。
これは、排卵後から生理がくるまで分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が、妊娠継続のために分泌され続けることによるものです。
このように基礎体温が高い状態が17日以上続いていた場合は、妊娠している可能性が高いと判断されます。
婦人用の基礎体温計のしくみや機能は、普通の体温計とは異なっています。
普通の体温計が脇にはさむタイプが多いのに対し、婦人用基礎体温計は口に入れて計るタイプが一般的ですし、体温データの記録やスマホアプリと連動しているものもあります。
近年では、機能も値段もさまざまなものが販売されていますので、基礎体温を記録するなら、必ず婦人用の基礎体温計を使用してください。
前述したとおり、妊娠すると基礎体温は高温のままになるのが一般的です。
しかし人によっては、基礎体温が低いまま妊娠していたり、生理が来ず高温期が続いていたのに、突然体温が下がって不安になる、というケースも見られます。
急に体温が下がったと言って、必ずしも流産しているとは限りません。
流産の他に、妊娠初期の高温期に基礎体温が突然下がる原因としては、以下のようなことが考えられます。
ただし、高温期から急に体温が下がり、かつ下腹部の痛みや不正出血などが見られる場合は、残念ながら流産の可能性が考えられます。
他に流産が疑われる症状が出ている場合は、すぐに病院に行きましょう。
一般的に、市販の妊娠検査薬で妊娠しているかどうかを正確に判断できるのは、生理予定日の1週間後以降と言われています。
つまり「基礎体温が高温な日が17日以上続き、かつ生理予定日から1週間以上経過したタイミング」で、妊娠検査薬でチェックするのがベスト、ということです。
高温期が17日続くと、赤ちゃんができているのかを早く知りたくて検査してみたくなるでしょうが、この段階ではまだ生理予定日から1週間以上経過していないことが多いです。せっかく検査しても正確な結果を得られず、がっかりしてしまうかもしれないということは理解しておいた方がいいかもしれません。
気持ちがはやるのもわかりますが、焦らず、正確な診断結果が出る時期を待ってから、検査した方がよいでしょう。
一般的に、妊娠すると基礎体温が高い状態が17日以上続くと言われますが、一概には言い切れません。また、妊娠初期で突然体温が下がっても、すべてが流産によるものとも考えにくいです。
妊娠や基礎体温の変化には、個人差があります。この記事を参考に、妊娠と基礎体温の関係や、流産の兆候について基本的な情報を理解しておき、いざというときはすぐにお医者さんに相談できる環境にしておきましょう。