記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧の状態が続くと、頭痛やめまい、動悸といった症状がみられることがあります。高血圧にくわえてこのような症状が出てくるのはなぜなのでしょうか。この記事では、高血圧とともにあらわれる症状にどのような病気が潜んでいるのかを解説します。
頭痛は何らかの原因で脳の血管が拡張した結果、神経を刺激してしまうために発症します。体には脳の血流を正常に保つ仕組みが備わっているため、健康な人であれば一時的に血圧が高くなったとしても脳に深刻な影響を及ぼすことはほぼありません。
ただ、高血圧の人に頭痛があらわれているようなら、高血圧性脳症や脳出血といった病気を発症している可能性があるので注意が必要です。
高血圧性脳症の主な症状は頭痛ですが、吐き気や嘔吐を伴ったり、けいれんや意識障害、視力障害などを引き起こすことがあります。
また、脳出血を発症すると、手足のまひや視覚障害、言語障害といった合併症を引き起こすことがあります。
高血圧が原因でめまいが起こるのではなく、めまいが起きたために血圧が上がる場合が多いです。また、高血圧を治療するために降圧剤を服用している場合、血圧の下がりすぎが原因でめまいを起こすことがあります。
血圧は、心臓から押し出された血液を全身に運ぶために必要な力です。このため、血圧が下がりすぎると、全身に流れる血流量が減ってしまいます。脳内は多少血圧が下がっても影響を受けない仕組みになっていますが、血圧があまりにも低くなってしまうと、脳の血流量も減って酸素不足になり、平衡中枢が乱れてめまいが出てきてしまうのです。
動悸とは、いつもと違って心臓の鼓動がドクンドクンと不快に感じられる症状です。高血圧で動脈硬化が起きている場合、心臓は全身へ血液を運ぶために本来よりも強い力で血液を押し出します。
このため、高血圧の状態が続くと、心臓への負担が大きくなり、肥大型心筋症(心臓の筋肉が大きくなる病気)や心不全(心臓が弱って全身に血液を送ることができなくなる病気)を発症する恐れがあります。
高血圧が続くと、鼻血が出ることがあります。これは、血液量が増えているのに血圧が悪い状態が続くと、血管壁に負担がかかって血管が破れやすくなっているためです。
高血圧には自覚症状は殆どありませんが、血圧が高い状態が続くと動脈硬化を引き起こしたり、心臓や腎臓などに過度な負担がかかって様々な合併症を発症する危険があります。
とくに、以下のような症状が見られる場合は早急に治療を要する合併症を引き起こしている可能性がありますので、なるべく早めに医師に相談するようにしましょう。
高血圧を放置すると、頭痛やめまいといった症状から深刻な病気を併発する恐れがあります。健康診断などで高血圧という結果が出たら、禁煙や塩分の摂りすぎに注意するなど、高血圧の要因と言われる生活習慣を見直して血圧を下げる努力をしましょう。