記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一言で耳鳴りと言っても、「キーン」という高音の耳鳴りもあれば、「ゴー」という低音の耳鳴りもあります。
今回の耳鳴りの種類とそれぞれの違いについて説明していきます。
耳鳴りは、大きく下記の4タイプに分けられます。
このうちよく見られるのが、低音あるいは高音タイプの耳鳴りですが、それぞれで考えられる原因は以下のように異なります。
耳鳴りの原因ははっきりわかっているわけではありませんが、低音の耳鳴りの代表的な原因には
などがあります。
飛行機に乗ったときなど気圧の変化で、耳管(中耳内の内圧を調整する、耳と喉をつなぐ器官)が閉じたままになってしまう状態です。中耳の気圧が外気圧より低くなるので、鼓膜が内側へ引っ張られることで、低音の耳鳴りが起こるようになります
ストレスや睡眠障害、顎関節症などが原因で、耳管が開いたままになることにより、自分の声が大きく聞こえたり、耳鳴りやめまい、耳の閉塞感が起こります
メニエール病は、非常に強い回転性のめまいや難聴、耳鳴りなどが生じ、吐き気や嘔吐を伴う病気です。突然症状が現れ、数時間持続した後に徐々に改善していきますが再発を繰り返すのが特徴です。
発症原因には諸説ありますが、内耳の中に多くのリンパ液が貯留することが原因と考えられています。ストレスや疲れなどが引き金になるとされていますが、リンパ液が貯留する原因ははっきり分かっていません。
また、再発を繰り返すことで徐々に聴力が低下したり、めまいを起こしやすくなるなど日常生活に支障を来たすことが多々あります。
高音の耳鳴りは
が原因になることが多く、とくに突発性難聴や老人性難聴など、耳の聞こえが悪くなることで発症することが多いといわれています。
ストレスや過労、ウイルス感染などが原因で、突如片耳にキーンという高音の耳鳴りと、回転性のめまいが起こります
加齢により内耳の感覚細胞が減ることで、高音が聞こえにくくなり、また両耳で高音の耳鳴りが起こるようになります
くしゃみや咳、飛行機に乗ったことなどがきっかけで、内耳と中耳の間の膜が破れて内耳のリンパ液が漏れ出した状態です。キーンという高音の耳鳴りやめまい、耳の閉塞感が発生します
耳鳴りには、「自覚的耳鳴」と「他覚的耳鳴」の二種類があります。
自覚的耳鳴とは、患者自身にしか聞こえない耳鳴のことであり、中耳や内耳、脳の病気、ストレス、爆音に長時間晒されたことなどが原因で引き起こされます。耳鳴の多くはこのタイプのものであり、治療が難しいことも少なくありません。
一方、他覚的耳鳴とは、耳の近くの腫瘍や血管奇形などを発症することで血流異常などによる異音が耳鳴りとして感知されるタイプのものです。異音は患者本人だけでなく、他の人にも聞こえるのが特徴で、治療にはその病気を根本的に治すための手術などが必要になります。
耳鳴りは、高音タイプや低音タイプ、単音タイプなどの「音」で種類分けするやり方と、自分だけにしか聞こえないか、聴診器などで他の人が確認できるかで分けるやり方があります。
種類がわかるとある程度原因の予想もつきますが、種類だけて特定できるわけではありません。どのような耳鳴りでも、まずは病院で検査してもらい原因を特定してもらいましょう。