記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
そもそも本当に「ぎっくり腰」は突然起きるものなのでしょうか?予防はできないのでしょうか?
また、ぎっくり腰の前兆を感じたときは、どうすればぎっくり腰にならずにすむのでしょうか?この記事では「ぎっくり腰の前兆」について詳しく解説しています。
ぎっくり腰の原因の詳細については解明されていない部分もありますが、腰にストレスがたまり続けると、いつぎっくり腰になってもおかしくない状態になってしまいます。そのときに起こる症状には個人差があり、以下のような症状や変化が現れることがあります。
以上のような症状は、ぎっくり腰の前兆の可能性があり、腰周囲の組織がいたんでいたり、神経に障害を起こしているおそれがあります。また、ぎっくり腰の原因の多くには、「腰の柔軟性の低さ」が大きく関係しているとされています。
ぎっくり腰の前兆がある場合、基本的にマッサージなどで筋肉に外部刺激を与えることはおすすめしません。
これは、ぎっくり腰になりかけているときは、筋肉や筋膜が弱っていたり、損傷していたり、炎症が起こっている状態であり、外部から刺激を与えると損傷をさらにひどくしたり、炎症を悪化させるおそれがあるからです。
このようなときに間違った方法でマッサージをすると、ぎっくり腰を引き起こす原因にもなりかねません。ぎっくり腰の前兆があるときは安易にマッサージをしないようにしましょう。
一般的には、急性期の症状は冷湿布を貼ることが推奨されていて、温湿布は避けた方がいいと考えられています。痛みが出始めの急性期は、冷湿布を使うようにしましょう。
強い痛みを感じるときは患部が炎症を起こしている状態のため、冷やすことが重要です。ただし、冷湿布自体に冷やす効果はなく、温湿布もトウガラシの成分(カプサイシン)の働きで温かく感じるだけであって温める作用はありません。消炎鎮痛薬を使っているものであれば、薬効はあまり変わらないといわれています。
急性期が過ぎたら、自分が貼ってみて痛みが和らぐもの、皮膚が荒れにくいものなど、好みで使うことをおすすめします。
商品によって差がありますが、一般的に湿布剤の効果は3時間から6時間程度、12時間から24時間程度といわれています。用法を確認し、効果の持続時間にあわせて1日数回貼りかえるようにしましょう。
筋肉が固くなったり、柔軟性がなくなると、力を入れた際に微細損傷(軽い肉離れ)を起こしやすくなります。
ストレッチは筋の柔軟性を維持する効果があるので、できれば一日の間に数回、腰周囲のストレッチを行いましょう。
仕事中で行うのが難しいという人は、トイレに行ったときに前屈、後屈、左右側屈などを一回ずつ行う程度でも効果があるといわれています。
長時間のデスクワークなどで座りっぱなしの場合は、椅子に腰かけたまま、前屈、左右側屈、左右回旋(ひねる)を動きをしましょう。
ただし、前兆が起こっているときは、既に患部にダメージが蓄積している状態です。無理に動かしてしまうと、ぎっくり腰を引き起こす可能性があります。少しずつ体を動かしながら痛みや違和感を確認し、慎重にストレッチを行うようにしましょう。
ぎっくり腰は突然起こるように感じますが、実は前兆が現れていることが多いといわれています。特に、日常的に重い物を持ち上げる事が多い人や、中腰での作業が多い人は注意が必要です。普段から自分の体から出るシグナルに気を配り、早めの対策を心がけましょう。