記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/16 記事改定日: 2019/2/27
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
片頭痛の症状を和らげるために薬を飲むことは多いですが、最も効果的な薬の飲み方やタイミングについて、知っていますか?
今回は片頭痛の薬について、薬の種類や種類別の服用のタイミング、代表的な市販薬と処方薬のことについて解説していきます。
基本的には、症状を感じたらできるだけ早く服用することが重要とされていますが、薬の種類によっても服用に最適なタイミングは異なるとされています。
以下に、「鎮痛剤」「トリプタン」「片頭痛予防薬」の3つの種類別に、薬を飲むタイミングについて、それぞれご紹介していきます(トリプタンも鎮痛剤ですが特に片頭痛に対して高い効果があるため別に紹介します)。
ロキソニン®などに代表される「消炎鎮痛剤」は、片頭痛の症状が出始める前に服用しておくと、症状を軽く抑えることができると言われています。
片頭痛のときに鎮痛剤を服用する場合は、頭痛が起きる前兆・予兆を感じた段階で服用すると良いでしょう。
イミグランなどに代表される「トリプタン」は、頭痛の症状が出始めてから1時間以内に服用することで、高い効果を得られるといわれています。
逆に、まだ頭痛が起きていない前兆・予兆の段階や、頭痛が起きてから1時間以上が経過してからでは十分な効果を得にくくなると言われているので、注意しましょう。
「片頭痛予防薬」は、症状の有無にかかわらず、毎日継続的に服用することで頭痛予防の効果を発揮する薬です。
片頭痛の症状の有無や重症度にかかわらず、用法・用量を守って毎日飲むことが大切です。
医師や市販薬が指定している用法・用量は、症状に対して十分な効果が得られて、かつ副作用が起きにくいように設定されたものです。
効き目を感じられないからといって、自己判断で薬の量を増やしたり、頭痛が起きることへの不安から早めに服用することが習慣化すると、薬が効きにくくなることがあります。
このような「頭痛薬の乱用」が長期間にわたると、以下のような症状を引き起こすリスクが高くなります。
自己判断で薬の量を増やしたり、服用の回数を増やすのは絶対にやめてください。
片頭痛で病院を受診した場合に処方される薬には、以下のようなものが挙げられます。
片頭痛の患者にまず処方されることの多い処方薬で、頭部の血管拡張を抑えることで片頭痛の解消・軽減を目指す治療薬になります。
副作用として、肩や胸が締め付けられるように感じる場合があります。
トリプタン製剤で十分な効果が得られなかった片頭痛患者に処方される薬で、頭部だけでなく全身の血管を収縮させて症状の解消・軽減を目指します。
ただし、全身の血管を収縮させるため、副作用として冷え性になるリスクが高くなります。
毎日継続的に、決められた用法・用量を守って服用することで、頭痛を予防する薬です。
症状の前兆の出方や、トリプタン製剤の服用回数など一定の条件を満たした場合に処方が検討されるもので、薬の種類によって得られる効果・副作用にかなり違いが出ます。
前項までで紹介した薬のうち、薬局などで市販薬として購入できるのは「鎮痛剤」です。
以下に、含有成分別に片頭痛に効き目があるとされる代表的な市販薬をいくつかご紹介します。
市販薬は片頭痛が起こるメカニズムにあわせて作用するわけではないので、望んだ効果が現れないことも多いです。
胃への負担が少なく、空腹時でも飲むことができるため、外出時などタイミングを選ばず飲みやすいのが特徴の市販薬です。
古くから頭痛全般に効果的と言われる市販薬ですが、副作用として胃粘膜への負担があるため、用法として食後の服用が指定されているのが特徴です。
頭痛だけでなく生理痛・風邪などの解熱鎮痛剤としても幅広く使用されているもので、こちらも副作用として胃粘膜への負担がかかるため、食後の服用が指定されています。
医療用ロキソニン®と同成分・同容量の市販薬で、比較的胃への負担が少なく、効き目が早いとされます。
市販の風邪薬として広く販売されている「総合感冒薬」には鎮痛成分が含まれているため、一時的な頭痛や喉の痛みなどには効果があります。
しかし、痛み緩和以外にもアレルギー症状を抑えたり、鼻詰まりを改善するなどその他の効果もあるため、片頭痛のセルフケアとして服用するのはおすすめできません。
定期的な頭痛に悩まされている場合は、頭痛の原因を知るためにも早めに病院を受診して適切な診察・検査を受けるようにしましょう。
ひとくちに片頭痛の薬といってもいろいろな種類が存在しています。その薬が最も効果を発揮する飲み方は、薬によってかなり違ってきますので、医師の指示通りに飲むようにしてください。
また、市販薬にも鎮痛効果があるので片頭痛が改善することもありますが、片頭痛はその他の頭痛と発生のメカニズムが違うので、効果が出ないことも少なくありません。
片頭痛かもと思ったときは、早めに専門医に相談しましょう。