腰痛で足がしびれてきた！原因は？病院は何科に行けばいいの？

腰痛で足がしびれる原因は？

腰は身体の中心に位置し、身体を動かすためのバランスを取っています。身体のなかでも特に日常的に負担のかかっている部位です。腰痛とは、このような負担によって腰やその周辺の骨・筋肉組織などに何らかの異常や炎症が起こることで引き起こされることが多いと考えられています。

一方、足のしびれは神経が圧迫されることで起こる神経症状の一種です。
腰痛と足のしびれが一緒に起こっている場合には、腰痛を引き起こしている原因によって足に通じる神経に負担がかかり、圧迫されているという可能性があるということです。

腰痛で足がしびれて歩けないのは病気の可能性が

足のしびれという神経症状を伴う腰痛の原因になる病気として「腰椎椎間板ヘルニア」「腰椎すべり症」「腰部脊椎狭窄症」の3つがあります。

以下に3つの病気について、以下で簡単に解説していきます。

腰椎椎間板ヘルニア

背骨を構成する小さな骨（椎体）の間にある「椎間板」という組織の髄核が、過度な負担や組織の劣化により飛び出してしまう病気です。
椎間板が飛び出して神経を圧迫すると、腰痛や足のしびれ、痛みなどの神経症状を引き起こします。

腰椎すべり症

背骨（脊椎）の腰のあたりを「腰椎」と言いますが、腰椎すべり症は何らかの原因でこの腰椎の位置がずれてしまう病気です。前後どちらにもずれる可能性はありますが、前にずれることの方が圧倒的に多いといわれています。

ずれた腰椎が周辺の神経を圧迫すると、姿勢を変えたときに腰痛やおしり、足にかけて痛みやしびれの症状が出るようになります。

腰部脊椎狭窄症

背骨のなかの神経が通っている空間にあたる「脊柱管（せきちゅうかん）」の腰部が何らかの原因で狭くなり、神経（脊髄）が圧迫される病気です。

腰痛をはじめおしりから足にかけてのしびれ、痛み、灼熱感などの症状が出ます。

腰痛で足がしびれたとき、病院は何科に行くべき？

腰と足に痛み、しびれを感じるときには、骨や軟骨、筋肉など運動器官の病気である可能性が高いと考えられます。このため、まずは骨と関節の専門家である整形外科を受診するのが良いでしょう。運動器官の病気であれば、スムーズに治療に移ることができますし、もし他の病気（糖尿病や内臓、神経や骨の腫瘍など）が原因とわかった場合は、適切な病院や診療科を推薦してくれるでしょう。

もし受診する診療科目に悩んだときには、ひとまず総合病院を受診するのも1つの方法です。

腰痛による足のしびれの治療法は？

足のしびれを伴う、神経症状としての腰痛の治療には、大きく分けて「保存療法」と「手術療法」の2通りが考えられます。

まず、第一の選択肢として考えられるのは「保存療法」の方で、以下のような方法で治療を進めていくのが一般的です。

保存療法での具体的な治療内容

• 腰と足の痛み、しびれを緩和するための薬物投与
• 腰痛改善に必要な筋肉増強のためのトレーニング療法
• 柔軟性を高めるためのストレッチ
• 関節や椎間板にかかる負荷を減らすためのけん引治療　　など

一方、関節や骨、椎間板などに明らかな病変があり、保存療法では症状の改善が見込めないと判断された場合には、外科手術による「手術療法」が検討されます。

この場合、病変して神経を圧迫している組織を取り除くため、以下のような内容の手術を行います。

手術療法での具体的な治療内容

• 変形し、神経を圧迫している組織を取り除く
• 神経を圧迫しないよう、組織のかたちを整える　　など

どちらの治療法をとるかは、症状の程度や医師の診断によって変わってきます。
まずは整形外科を受診し、しびれの原因を特定することが大切です。

おわりに：足のしびれ・痛みを伴う腰痛が現れたら、すぐに整形外科へ！

腰痛には一時的な筋肉・関節疲労によるものも多いですが、一緒に足の痛みやしびれを伴う場合には、重大な病気が隠れている可能性があります。この場合、時間の経過による症状の軽減や自然治癒は見込めないこともあり、病院での治療が必要な場合があります。放っておくと重篤化し、日常生活や排尿障害が出る可能性もあるので、できるだけ早く整形外科の病院を受診し、治療を受けるようにしてください。