記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/24
記事監修医師
前田 裕斗 先生
生理でもないのに出血が起こる「不正出血」。この不正出血は妊娠のサインとしても知られますが、生理のときの出血とはどう違うのでしょうか?生理前の出血や生理後の出血で、考えられる原因と併せて解説します。
生理(月経)開始予定日の数日前には、少量の血液がおりものに混ざって出てくる場合があります。一時的な少量の出血でおさまる場合には、生理が本格的にはじまるサインの可能性があります。事前に準備をしておきましょう。
ただ、生理の数日前~1週間前には、妊娠超初期の兆候である着床時の不正出血(着床出血)が起こることもあります。受精すると、女性ホルモンの働きで厚くなった子宮内膜に受精卵がもぐりこみ(着床)、胎盤を形成しはじめます。この着床するタイミングで子宮内膜に傷がつくと、不正出血として体外に出てくることがあります。
不正出血は着床したときに必ず起こるというわけではなく、また必ず妊娠するとも限りません。妊娠が疑われる場合は体調を整え、生理予定日1週間後以降に妊娠検査薬で妊娠を確かめてから病院を受診しましょう。
生理後すぐ~数日間は、経血がまだ体内に残っている可能性があり、血液がおりものに混ざって出てくることがあります。体内で出血してから時間が経っている場合にはおりものが茶色や赤褐色に変色する場合が多いでしょう。また、生理直後から数日間に少量の出血があったとしても、少量で、しばらくしておさまることが多いので、あまり気にする必要はありません。
ただし、生理の終わり頃なのに出血量が減らない場合や、生理後1週間以上経っても出血がおさまらない場合、下腹部痛や腰痛を伴う場合など、普段の生理後の状態と比べておかしいと感じるときには婦人科を受診しましょう。
生理の期間には個人差がありますが、通常は5~7日間程度の出血が続きます。しかし着床出血の場合は少し短く、2~3日間程度で、また出血量も通常の生理よりは少ないとされています。下着に少し血がつく程度や、おりものに色が付くくらいという場合が多いです。これらの出血量の違いが、2つを見分けるポイントになります。
しかし、多くの場合は不正出血があったときに判断が付かず、妊娠発覚後に着床出血だと気付くことが多いようです。 また、妊娠している場合にはこれらの不正出血に加えて、妊娠初期の諸症状(微熱、つわりなど)が現れる場合があります。
このように、不正出血は見分けるのが難しいので、妊娠の診断をしてもらうためには病院を受診するのが一番です。判断に迷った際には、婦人科を受診するようにしましょう。
不正出血はストレスや疲れの溜まり具合や、妊娠の兆候を教えてくれる、身体の変化のバロメーターとして非常に重要な役割を果たします。不正出血が起こったときには病気の兆候を確認するだけでなく、生活習慣を改める良い機会として、自分の普段の生活を見つめ直してみてはいかがでしょうか。また、自分の生理周期をしっかり記録しておくと、不正出血にすぐに気づけるようになるのでおすすめです。