記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
痛風発作は夜中や明け方に現れることが多く、突然起こされて「いつまで続くの?」と不安になることも多いのではないでしょうか。この記事では、痛風発作の期間や原因について解説していきます。尿酸値を上げないようにするための食事の注意点も紹介しているので、参考にしてください。
痛風とは、尿酸が体の中に溜まり結晶化することで激しい痛みが起こる病気です。適切な治療を受ければ健康な生活が送れますが、放置すると痛みを繰り返したり、結節が出来たり、腎臓が悪くなることもあります。
一般的に痛風発作は2週間前後で治まることが多いとされていますが、初めて痛風発作が起こったときは数ヶ月~1年以上続くこともあるといわれています。
また、数年間に渡り複数回の発作がある人の場合は、1回の痛風発作期間が1ヶ月~数ヶ月間という長期に及ぶ場合や、数日~数週間間隔などの短期間で繰り返す場合などもあり、個人差があります。
痛風発作は主に尿酸が原因で発生します。
尿酸は体の中に常に一定量あるもので、血液や体液に溶けて体内を循環した後、尿の中に混じり排出されます(一部は消化管から排泄されます)。血液中の尿酸濃度が飽和濃度をこえるほど上昇すると、しだいに体内に蓄積されるようになり、溜まった尿酸は結晶となっていきます。そのまま尿酸濃度が高い状態が続くと、結晶が関節内に沈着し、防御機構である白血球が結晶を攻撃するようになり痛風発作の痛みが発生すると考えられています。
また、尿酸の結晶は他の臓器にも溜まることがあり、皮膚の下に溜まると結節ができる場合があります(痛風結節)。痛風結節が脊髄にできると、まれにではありますが神経症状を引き起こすケースがあります。また、腎臓も尿酸が溜まりやすい器官なので注意が必要です。さらに、痛風を患うと心血管障害や脳血管障害などの重篤な病気を合併する確率も高くなります。そのため、尿酸値が高くなり始めた段階で治療を始めることが大切です。
痛風の治療には、炎症を和らげることと、根本的な原因である高尿酸状態を改善することが重要になります。
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)などを使用して炎症を抑える事で、痛風発作の痛みを和らげます。
尿酸値を下げるために尿酸降下薬を使うこともありますが、高尿酸血症の治療の基本は生活習慣の改善であり、なかでも食事の管理が特に重要になってきます。
痛風の治療では食生活の改善も必要であり、プリン体を含む食品や飲料の制限はもちろんですが、カロリー制限も重要な要素となります。
食事の注意点は以下の通りです。
痛風の発作が続く期間は、初めて発作が起こった人と複数回起こっている人で異なるように個人差があります。どちらの場合も、体内の尿酸濃度を低下させることが治療の重要なポイントであり、生活習慣を改善してできるだけ薬だけに頼らずに済むように心がけることが大切です。プリン体含有量の多い食事やアルコール飲料、脂っこい食品を控えるなど食事の内容に十分気を配り、痛風発作を予防していきましょう。