記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/23 記事改定日: 2019/2/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ヘルペスは感染者が多い、比較的身近な感染症です。再発を繰り返してしまうことなど、悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ヘルペスの症状がどのように現れるかについて解説しています。初めての感染のときと再発のときの症状の違いについても紹介しているので、早期発見に役立ててください。
口唇ヘルペスの主な症状は、単純ヘルペスウイルスに感染することで生じます。単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、口唇ヘルペスのほか上半身の症状は主に1型が原因となっています。
中心となる症状は唇やその周りに小さな水ぶくれができることですが、水ぶくれが現れる前にも、いくつかの初期症状があります。チクチク、チリチリと針に刺されるような痛みや、ムズムズするといった違和感があったり、かゆみ、ほてりなどが生じたりします。
頭部には三叉(さんさ)神経という顔の全体に分布している神経があります。単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、ウイルスは三叉神経節とよばれる神経の集まっている部分にかくれています。そして、疲れやストレス、月経、紫外線などがきっかけとなってウイルスが活発になると、神経を通って唇やその周りに移動していき、皮膚の症状を引き起こします。
症状が進むと皮膚が赤くなり、小さな水ぶくれが増えていきます。水ぶくれの中はウイルスが活発に動いている状態のため、痛みやかゆみ、ほてりといった症状が強くなることがあります。
初めて感染したときには症状が出ないこともありますが、症状がでたときには比較的広範囲に症状がみられます。また、熱が出たり、あごや耳下から喉にかけてのリンパ腺が腫れたりすることもあるでしょう。
再発の場合は、やや軽度で部分的な症状がみられます。時間の経過とともに水ぶくれがかさぶたになり、症状が落ち着いていきます。いずれも早く対処をすると治りが早く、重症化することも防ぐことができます。
口唇ヘルペスは、ウイルスが増えないように抗ウイルス薬を使って治療します。口唇ヘルペスの治療には、塗り薬や飲み薬、点滴などがありますが、軽症であれば塗り薬や飲み薬で治療を行えます。
口唇ヘルペスは初めての症状のときは市販薬を購入することはできず、医療機関を受診し、医師から抗ヘルペス薬を処方してもらわなければいけませんが、再発の場合は薬剤師のいる薬局やドラッグストアで相談し、条件が合えば口唇ヘルペスの再発治療薬を購入することができます。
いずれにしても、ウイルスが少ないうちに対処をすることが重要です。早い段階で適切な処方を受けましょう。治療開始が遅くなり症状が重くなってからの治療では、点滴や入院が必要になることもあります。
口唇ヘルペスは、体調が悪い時や疲れが溜まった時などに体内に潜んでいるウイルスが再活性化することで再発を繰り返すことがあります。
残念ながら、一度感染すると再発を完全に予防することはできませんが、再発を防ぐには以下のような対策が有用です。
また、口唇ヘルペスは再発の前兆として、口唇部の違和感やピリピリとした痛みなどの症状を引き起こすことがあります。これらの前兆症候がある場合は、抗ヘルペス薬の内服や外用薬を早めに使用して再発を予防することも可能です。再発を繰り返して、その都度重症化しやすい人は、医師に相談して抗ヘルペス薬の予防投与を行うようにしましょう。
万が一発症した場合でも、早めに治療を開始することで重症化を防ぐこともできますので、早めに病院を受診したり、市販薬を使用しましょう。
口唇ヘルペスは、口元に水ぶくれや赤みといった症状があらわれます。口元は人の目にもつきやすく、メイクやヒゲそりなど毎日のケアにも影響をします。軽症のうちに治療を開始すれば、塗り薬や飲み薬を用いて自宅での治療も可能です。通院の時間がないからとマスクで隠したりしていては、かえって重症化を招くこともあります。適切な治療で早い回復を目指しましょう。