記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頭痛や耳鳴り、そしてめまいを併発している場合、原因としてはどんな病気が考えられるのでしょうか。また、これらの症状が出た場合には何科を受診すればいいのでしょうか。
頭痛や耳鳴り、めまい、倦怠感、動悸などの症状が見られる場合は、自律神経失調症の可能性があります。自律神経は消化や体温調節、脈拍、呼吸などのさまざまな機能を司っているのですが、ストレスや疲労、睡眠不足などによってこの自律神経が乱れると、全身にさまざまな症状が出るようになります。
自律神経失調症の症状は、下記のように多岐にわたります。
毎日のデスクワークで悪い姿勢を続けていると、後頭下筋群という首の後ろの筋肉が凝るようになります。後頭下筋群には後頭下神経、大後頭神経、小後頭神経などの神経が密集しているのですが、これらの神経は耳や目、後頭部など広い領域に関わるもののため、凝った筋肉に圧迫されると目のかすみや耳鳴り、頭痛が起こるようになります。
また、ストレスなどで歯をくいしばる癖のある人は、噛む筋肉と連動している三叉神経が刺激されることで、こめかみあたりにさらに頭痛が起こりやすくなります。
具体的に要注意なのは、猫背で顎を前に突き出している、肩に力を入れながら座っている、などの姿勢を日々とり続けている人です。このような姿勢は後頭下筋群を緊張させやすくなります。
頭痛と耳鳴り、めまいは、まれに脳腫瘍の症状として現れることがあります。
腫瘍が脳の聴神経付近にできた場合は回転性のめまいが、小脳付近にできた場合は浮動性のめまいが起こることがあるといわれています。脳腫瘍は進行すると、頭痛や耳鳴り、難聴、手足のしびれなど他の異変も現れるようになるので注意が必要です。
頭痛や耳鳴りが起きている場合は、脳腫瘍など重篤な病気のケースもあるので、一度脳神経外科や神経内科で脳に異常がないかチェックすることが大切です。もしそこで異常が見られなかった場合は、自律神経失調症の可能性があるので、専門医のいる内科や心療内科、精神科を受診されることをおすすめします。また首こりを伴う場合は、整形外科を受診しても良いでしょう。
頭痛と耳鳴り、めまい、倦怠感、動悸などさまざまな症状が出ている場合は、自律神経失調症の疑いがあります。しかし、まれに脳腫瘍など重い病気が隠れている可能性もあるので、まずは検査で疾患のチェックをすることが大切です。