記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
パーキンソン病の治療のために薬を飲んでいて、便秘や幻覚など、さまざまな副作用に見舞われるという話を聞いたことはありませんか?
今回は、パーキンソン病の治療薬の服用で起こり得る便秘と幻覚の副作用について、そのような副作用に見舞われたときの対処法と、服薬上の注意とあわせてご説明していきます。
便秘自体は、手足のふるえ、すくみ足、首下がり、咀嚼能力・嚥下能力の低下、立ち眩みなどとあわせて、パーキンソン病の合併症状の一部として現れやすいものです。
ただ、もともとあったパーキンソン病による便秘症状が、治療薬の副作用によって強まり、悪化するというケースは報告されています。
服用する薬の種類にもよりますが、パーキンソン病の治療薬には便秘・吐き気・下痢・食欲不振など、消化器官への副作用があるものが含まれていることは覚えておきましょう。
パーキンソン病の治療薬には、幻覚の副作用を伴うものもあります。
ただし、副作用の一部に幻覚の可能性が含まれる薬であっても、すべての患者さんに病気の初期状態・飲み始めから、幻覚症状が現れるわけではないと言われています。
基本的には、パーキンソン病の治療薬の服用により、副作用として幻覚の症状が誘発される患者さんは、以下の条件に当てはまる方と考えられています。
パーキンソン病の投薬治療による幻覚の副作用は、上記のような「罹病・薬の服用期間が長く」「精神症状が出やすい要因がある人」に現れやすいと理解しておくと良いでしょう。
医師から処方された薬を、患者やその家族が自己判断で服用を中止したり、用法・用量を変更して服用することには、以下のようなリスクが伴います。
パーキンソン病進行期の患者の場合、薬の服用中止が命の危険を招く可能性もあります。
副作用が出た場合も自己判断で勝手に薬の服用を中止するのではなく、必ず担当の医師に状況を説明し、まずは薬の減量や変更について相談するようにしてください。
最後に、パーキンソン病の治療薬と飲み合わせると病状を悪化させたり、効き目を悪くしたり、副作用を強める恐れのある薬についてご紹介します。
上記に挙げた薬は一例です。
実際にパーキンソン病治療薬との飲み合わせに注意が必要な薬の種類については、担当の医師と薬剤師から説明を受けるようにしましょう。
パーキンソン病の治療のために処方される薬のなかに、便秘症状の悪化や、長期間の服用によって幻覚などの副作用があるものが含まれるのは事実です。ただし、これらの副作用が出るかどうか、またその程度は、患者の状態によっても違ってきます。副作用を怖がるあまり、服薬を中止したのでは、パーキンソン病の治療はなかなか進みません。副作用が出た場合には対処法を医師に相談しつつ、前向きに投薬治療を続けてください。