記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧を患っている人や、病気の経過を見るために血圧の記録が必要な人など、自宅で血圧測定する機会の多い人もいるでしょう。血圧測定をする際の正しい姿勢や時間帯について解説していきます。
家庭で血圧を測定する際には、「オシロメトリック法」で測定します。
まず、上腕にカフと呼ばれる腕帯を巻き、動脈の血流が止まるまで空気を入れ圧迫します。次に、圧迫する力を少しずつ弱めると血流が戻り、「脈波」という大きな振動が起こります。そしてさらに圧迫を弱めると、脈波が小さくなっていき、次第に変化が止まります。これらの脈波を圧力センサーで感知・測定する方法が「オシロメトリック法」です。
脈波の最大値が「収縮期血圧」、脈波の最小値が「拡張期血圧」となっています。
病院で使用される「コロトコフ法」は、カフで動脈を圧迫するまでの流れは同じですが、脈波を感知・測定する時は聴診器で音を聞く方法がとられます。
上腕の圧迫を緩めて止まっていた血流が再開すると、血管からトントンという「コロトコフ音」が聞こえます。そしてさらに圧迫を弱めるとコロトコフ音が停止ます。
コロトコフ音が聞こえ始めたときの血圧が「収縮期血圧」、コロトコフ音が停止したときの血圧が「拡張期血圧」となります。
血圧測定をするときは、正しい姿勢で測定しないと正確な数値が測れない場合があります。
まず、椅子に座る際には背筋を伸ばし、上腕に巻いたカフが心臓と同じ位置にくるようにしましょう。また、測定をする時は腕に力を入れず、リラックスした状態で測りましょう。
上着の袖を無理矢理たくしあげると、腕の血管を圧迫してしまう場合があるので、袖を抜いて測定するといいでしょう。
血圧は就寝中は低く、昼間活動している時は高くなるなど、常に変化しているものなので、毎日決まった時間に測定・記録するのが良いとされています。
日本高血圧学会は、家庭で血圧測定する際は、朝と夜の決まった時間に1〜2回測定して平均値を記録することを推奨しています。また、血圧は食事・排尿・服薬などによっても影響するとされているので、朝はそれらの行為をする前、夜は就寝前に測定するようにしましょう。そのほかにも、飲酒・カフェインの摂取なども血圧に影響を与えるため、測定前は避けるようにしましょう。
朝と夜の血圧を記録することで、夜間高血圧(夜間のみに血圧が高くなる症状)や白衣高血圧(病院で測定した時のみ血圧が高くなる症状)などが早期に発見できることもあります。
血圧は測定前の心身の状態を反映しやすいため、イライラしていたり緊張していると正確な数値が出せなくなってしまいます。そのため、測定前には1〜2分間安静にする時間をとり、5〜6回ほど深呼吸をしましょう。
測定前には排尿・排便をすませ、数分経ってから測るようにしましょう。
正しい姿勢で、カフを適切な巻き方で装着することはとても重要なポイントです。座る際には、軽く背もたれにもたれ、足を組まず、リラックスした状態で座りましょう。また、測定する上腕や手首が、心臓と同じ位置にくるように調節してください。カフを巻く際は、隙間ができないようにしっかりと巻くことがポイントです。
血圧測定は、毎日適切な記録をすることが大切です。そのため測定する時間帯は、毎日安定した状態で測れる時間を選びましょう。
暑すぎたり、寒すぎたりしない、20℃前後の室内で測定するようにしましょう。
血圧の測定方法は、病院で行う場合と家庭で行う場合では異なりますが、いずれも測定する際は排便・排尿などをすませてリラックスした状態で測ることが望ましいです。また、家庭で測定する際は、毎日続けて測定できる時間帯を選びましょう。毎日決まった時間に測定・記録することが大切です。