子どもの歯を虫歯から守るためにできること

2017/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

子どもの歯が生え始めると、気になるのが虫歯。自分自身に虫歯治療の痛い思い出があると、わが子にあんなつらい思いはさせたくない、という思いが強くなるのではないでしょうか。ここでは子どもの歯をケアする方法をご紹介します。

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歯磨き粉の選び方

赤ちゃんの歯は、生後6ヵ月ぐらいから生え始めます。最初の乳歯が生えてきたら、赤ちゃんの歯を歯磨き粉で磨きましょう。また、歯磨き粉はフッ素入りのものを選んでください。どれを選べばよいかわからないときは、歯科医に相談してみてください。

子ども用の歯磨き粉には、子どもが好みそうな味がついているものがあります。このため、子どもが歯磨き粉を食べたり、舐めたりする可能性があります。このようなことがないよう、普段は歯磨き粉を子どもの手が届かないところに置いたり、隠したりするようにしてください。

歯磨きのコツ

赤ちゃんのときは、食べ物や飲み物をとったらすぐに磨きます。もう少し大きくなってきたら、毎食後磨くようにしましょう。また、寝る前は特に、丁寧に磨くように促してください。

口の中にあふれてき余分な歯磨き粉は吐き出して構いません。ただし、歯磨き粉に含まれるフッ素の効果を持続させるために、口の中を水で何度もすすがないようにしましょう。すすいではいけません。

また、子どもが7、8歳になるまでは歯磨きを指導してください。歯を磨いてあげることはもちろん、子どもが自分で磨くときにやり方を見てあげてください。7、8歳からは自分で歯を磨けるようになりますが、すみずみまで磨けているかどうか、ときどき確認してあげてください。

以下に、子どもが歯を正しく磨けるようにする方法をご紹介します。

・正しい動きがわかるように、子どもの手をガイドしてあげる
・鏡を使って、子どもがどこの歯を磨いているのか見えるようにする
・磨く時間を決めたらタイマーで時間を計り、楽しく歯磨きができるようにする

子どもが歯ブラシを口にくわえたまま走り回らせないように気をつけてください。事故やケガの原因になります。

子どもを歯科医に連れて行く

最初の乳歯が生えたら、子どもを歯医者に連れて行きましょう。歯医者さんの環境になじませたり、歯科医と顔なじみになったりするためです。

歯科医は初期の段階で虫歯を防いだり、歯並びの良し悪しを見極めたりします。また、小さい頃から定期的に歯科医に通っていると、成長してからも定期的に歯科医に通うようになるだけでなく、口腔内の健康を維持しやすくなります。歯科医に行くときは、おもちゃや絵本など、子どもが好きなものを一緒に持っていき、待ち時間を楽しく過ごせるようにしましょう。

局所用フッ化物とフィッシャーシーラント

局所用フッ化物は、虫歯を防ぐために、6ヵ月ごとに歯の表面に高濃度のフッ化物を塗ることです。これは乳歯と永久歯の両方に使うことができます。フッ化物を塗ると、歯のエナメル質が強化され、虫歯になりにくい歯にすることができます。

また、フィッシャーシーラントは、子どもの奥歯の永久歯が生え始めたら(通常は約6、7歳で)使うことができるものです。これは奥歯が虫歯になるのを防ぐために使うもので、奥歯のかみ合わせの部分に細菌や食べ物の粒が入らないよう、特殊な薄いプラスチックコーティングで覆います。フィッシャーシーラントの治療は、5年から10年続くことがあります。

局所用フッ化物とフィッシャーシーラントを塗ったほうがいいかどうかは、歯科医に相談してみてください。

おわりに

歯の健康を保つためには、きちんと歯を磨蹴るようになることが大切です。ひとりで歯を磨けるようになるまでは、親が磨いてあげたり、磨けているかどうかをチェックしたりして、虫歯にならないよう気をつけてあげましょう。また、定期的に歯科医に連れて行き、必要に応じて虫歯予防に役立つ治療を受けさせてあげましょう。

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