記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食中毒の症状といえば、下痢、腹痛、嘔吐といった消化器症状が代表的ですが、発熱が起こることはあるのでしょうか?その場合、発熱はどれくらいの期間続くのでしょうか?対処法と併せて解説していきます。
食中毒は、一般的に腹痛や下痢、吐き気、発熱といった症状が現れます。回復までの期間は個人差があり、原因となる細菌やウイルスによっても異なります。
食中毒の原因となる細菌やウイルスは、腸内で増殖することでさまざまな胃腸症状を招きます。下痢や嘔吐という苦しい症状が起こりますが、これらの反応で細菌やウイルスを体外に排出することに繋がっています。
食中毒による発熱期間は、食中毒の原因となる細菌やウイルス、また患者の体力や年齢によって特徴が異なります。順調に回復すれば発症から1〜2日で落ち着くものもあれば、1ヶ月程度かかるものもあります。代表的な食中毒菌ごとに、おおよその発熱の期間をご紹介します。
鶏や豚、牛といった家畜の腸管や河川、下水などに広く分布している菌で、カメなどのペットも保有していることがあります。十分に熱の通っていない卵や食肉を食べることや、調理器具の消毒不足によって食中毒を起こします。発熱期間は2〜3日ほどといわれています。
鶏や豚、牛といった家畜のほか、さまざまな動物が保有していることのある菌です。十分に熱の通っていない食肉(特に鶏)を食べることや、調理器具の消毒不足によって食中毒を起こします。発熱期間は1〜2日程度です。
牡蠣などの二枚貝に含まれており、十分に熱の通っていない食材を摂取することによって感染します。また、感染した人の便や嘔吐物から感染する「二次感染」にも注意が必要です。発熱期間は2〜3日になります。
食中毒が疑われる症状が現れたときには、できるだけ休養をとりましょう。また、回復のきざしがなく、症状が悪化する一方のときには医療機関の受診が必要です。以下に家庭で対処する際の注意点を挙げました。
下痢止めや解熱剤などの家庭の常備薬を、自己判断で飲むことは止めましょう。薬の効果によって下痢や吐き気が一時的には止まっても、排出しようとしていた細菌やウイルスが体内にとどまる時間が長くなり、回復を遅らせることがあります。特に小児や高齢者では命の危険につながることもあります。
下痢や嘔吐、発熱が続くと、体内の水分がどんどん奪われていきます。吐き気や嘔吐があると何かを口に入れること抵抗があるかもしれませんが、脱水が起きては大変危険な状態になることもあります。少しずつでも水分を補給しましょう。現在は、脱水時の水分補給に適している「経口補水液」も市販されています。家庭で数本常備しておくと安心でしょう。
高齢者や乳児は症状が重症化しやすく、水分補給も難しくなりがちです。早めに病院へ行きましょう。また、自宅で休養をとっていても症状が悪化するばかりの人も、病院を受診しましょう。症状や食中毒の原因に合わせて、点滴や抗生物質による治療が行われます。
食中毒というと、下痢や吐き気、嘔吐といった症状を思い浮かべる方が多いですが、全身症状として発熱が起こることもあります。食中毒の症状は、体内から原因となる細菌やウイルスが排出されることで落ち着いていくものです。水分を取りながら休養し、症状が改善しないときは病院を受診しましょう。