男性も貧血になることがある?深刻な原因が隠れている可能性があるって本当?

2018/6/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

貧血は女性に多いイメージかもしれませんが、男性でも貧血になることはあり、男性の貧血は深刻な原因が隠れている可能性があります。この記事では、男性の貧血に見られる傾向と、貧血や血便の症状がある男性の検査の重要性について解説します。

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男性が貧血になる原因は?

貧血は男性よりも女性がなりやすいといわれていますが、男性も貧血になることはあります。男性の場合は、体内の鉄分不足による鉄欠乏性貧血は少なく、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなどの重い病気が原因となり、貧血が引き起こされている可能性があります。なお、以下のような症状が見られる場合は、貧血の可能性があります。

  • 息切れ
  • 動悸
  • 顔色が悪い
  • めまい
  • 足のむくみ
  • 爪がもろく、われやすい
  • ささくれができやすい
  • 切れげや枝毛が多い
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 口の端が切れやすい
  • 口内炎ができる
  • 疲れやすい
  • 少しの運動量で立ちくらみが起こる
  • 集中量の低下
  • イライラ、くよくよする

20代男性の貧血のおもな原因は?

栄養バランスの乱れ

20代の男性は、社会人になり仕事が忙しくなることで、生活習慣や食生活が乱れやすくなる傾向があります。不規則な生活習慣や乱れた食生活(外食やカップ麺・インスタント食品などを食べることが多くなるなど)は、鉄分や他の栄養素が不足する原因のひとつです。貧血を予防・解消するためには、鉄分だけではなく、栄養バランスのとれた食事をとる必要があります。

ストレス

20代になり新たに社会人としての生活が始まると、さまざまなストレスにさらされるため、ストレスを緩和する働きのあるビタミンCの消費量が増えやすくなります。ビタミンCは、鉄分の吸収率を高める効果があるので、ストレスを感じることで貧血を促進させるようになるのです。

病気

月経もなく、男性ホルモンの働きに問題のない20代の男性が鉄欠乏性貧血になることはあまりありません。そのため、他の病気が原因となり、貧血症状が起こってる可能性が高くなります。大腸がんなどの重い病気が原因となっている場合もあるので、注意が必要です。

貧血や便の異常が気になるときは早めに検査を

貧血の症状が悪化している場合や、40歳以上の人は、一度便潜血検査を受けておきましょう。また、40歳以上でなくても、便の色が変化していたり(黒色、赤褐色、鮮紅色など)、血液が付着している場合は、早急に内科を受診する必要があります。黒色の便はタール便とも呼ばれ、上部消化管(食道、胃、十二指腸など)からの出血がおもな原因とされています。血液が胃酸や消化酵素などにより黒く変色して便中に混入すると、タール便として排出されます。

なお、赤褐色や鮮紅色の便は、大腸(特に肛門付近)からの出血がおもな原因とされています。血便が見られる場合は、どのような状態でも必ず病院を受診し、精密検査を受けましょう。

おわりに:貧血が悪化している場合は一度検査を受けましょう

男性の貧血は、鉄不足による鉄欠乏性貧血は少なく、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸ポリープ、大腸がんなどの深刻な病気が原因となり、貧血が起きている可能性があります。まだ若い20代でも、生活習慣の乱れやストレスなどの要因により、貧血が起こることもあります。貧血の症状が悪化している人や40歳以上の人は、一度便潜血検査を受けることをおすすめします。

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