記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/8 記事改定日: 2020/8/19
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本人の成人のうち、10人に1人は持っているといわれる「胆石」。胆石発作が起こると、みぞおちや右上腹部などに痛みが起こることでも知られていますが、この胆石は、食事を工夫すれば予防できるともいわれています。以降では予防におすすめの食べ物や、食事のコツなどについて紹介していきます。
胆のうや胆管にできる胆石には、主に以下の種類があります。
このうち、胆石症のおよそ6割を占めるといわれるのが「コレステロール胆石」です。コレステロール胆石は、胆汁内のコレステロール濃度が高くなりすぎたために発生するもので、肥満や食生活の乱れ、妊娠、加齢などが原因で起こります。
実際、日本国内での胆石症の患者数は、食生活の欧米化とともに増加傾向にあることから、胆石症の発症や再発を予防するには食生活の改善が重要と考えられています。
胆石の発生を予防するには、脂っぽいものやコレステロールの高い食事を避けることが重要です。そして普段の食事では、コレステロールの吸収を抑制したり、コレステロールを含んだ胆汁を排出させる作用のある水溶性食物繊維を積極的に摂取しましょう。
また、コレステロール胆石を溶かすのに必要な胆汁酸のもととなる、ビタミンCの摂取も重要です。具体的には、以下の食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
胆石ができる原因は上記で紹介した原因のほかにもさまざまあります。
脂っこい食べ物の過剰摂取は胆石の発生につながるものですが、かといって脂質を含む食べ物を一切とらないと、かえって胆石ができやすくなってしまう可能性があります。
なぜならコレステロールは、コレステロール胆石を溶かすのに必要な胆汁酸を作る材料でもあるからです。コレステロール不足だと胆汁酸の濃度が低下し、コレステロールをうまく排出できずに、胆石ができてしまうことがあるのです。
さらに、脂質を含む食べ物はタンパク質の補給源でもあるため、脂質を減らすとタンパク質不足に陥り、ほかの健康リスクを招く恐れもあります。
食事を抜くことも胆石ができやすくする原因です。食事をしないと、消化に使うはずの胆汁が胆のう内で余ってしまい、胆汁が濃縮し胆石になりやすくなるからです。
以上の点から、胆石を予防するためにはタンパク質の量を確保しつつ、コレステロールや脂質を上手にカットすることが重要です。たとえばタンパク質を豊富に含む肉と魚では、下記の食材を選ぶのがおすすめです。
コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸には、脂肪の分解を促進する効果があることから、コレステロール胆石の発生を予防する効果も期待できる、という説もあります。ただし基本的には食事のバランスが重要なので、コーヒーの摂取は適量に抑えてください。
胆石は上述したように食生活の乱れによって引き起こされることが多いですが、肥満も発症のリスクになるため、肥満予防のために適度な運動習慣を身につけることも大切です。
また、便秘は腸内の圧を挙げるため胆石の原因になると考えられています。便秘がちの方は食生活や運動習慣を整えることも大切ですが、生活習慣を改善しても便通が整わない場合は病院に相談するようにしましょう。
胆石を予防するには、脂っぽい食べ物の過剰摂取を避けることが重要です。ただし過度にコレステロールや脂質をカットしすぎるのも胆石の原因となります。食材や調理方法をうまく工夫して、バランスの良い食生活を心がけましょう。