記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日中眠くなってしまう人や寝てもスッキリせず疲れが取れないという人は、もしかしたら睡眠が浅くなっているのかもしれません。睡眠が浅くなっている場合は、どのように改善すればいいのでしょうか。
この記事では、睡眠の深さを改善する方法を解説していきます。睡眠が浅くなってしまう原因についても解説していくので、眠りの悩みの根本解決に役立ててください。
浅い眠りを深くするための改善策はさまざまあります。
まず最も簡単にできるのが寝具の改善ではないでしょうか。マットレスやまくらなどを自分に合ったものに変えるだけでも浅い睡眠を改善することができる場合があります。数年でヒトの体型は変化するため数年単位で寝具を見直してみましょう。
他にも体内時計を見直すことで浅い睡眠を改善できます。ヒトの体内時計での睡眠時間は午後10時から午前8時とされていて、睡眠時間の平均は7時間と言われています。
ただし7時間しっかり眠らなくても、自分に合った睡眠時間を確保できて、深く質の良い睡眠をとることができれば問題ないでしょう。寝る1~2時間前には間接照明に切り替え、ぐっすりと眠れる環境作りを心がけましょう。
午後2時前後に15~20分程度の仮眠をとることも体内時計の維持に役立つといわれていますので、昼寝すること自体は問題ありませんが、夕方以降に仮眠をとると身体のリズムの維持ができなくなるといわれているので注意してください。
また、朝食をとることも体内時計を正常に保つためには重要と考えられています。
このように、深い睡眠をとるためには1日を通して生活を見直すことが大切です。
睡眠が浅くなってしまう原因もいろいろなことが考えられます。
前述したように、体内時計のリズムは睡眠の質に大きく関わってきます。体内時計は約25時間周期と言われており、地球の1日の周期より1時間ずれているものの日中の様々な刺激によってこの1時間が修正されることが分かっています。
この時間の中で睡眠と覚醒がリズムよくバランスをとっていますが、この体内時計のリズムが上手く調整できなかったりずれてしまったりすると睡眠が浅くなります。
自律神経のバランスの乱れも浅い眠りを引き起こします。特に副交感神経が活発になると眠気が出てくるものの、夜になっても自律神経が活発であるとなかなか眠くならずに睡眠が浅くなるとされています。
ストレスやうつ状態で夜に脳が活発になってしまうと、眠りが浅くなります。
メラトニンは、睡眠ホルモンと呼ばているほど、睡眠と深く関わってきます。何らかの原因でメラトニンの分泌量が減ってしまうと、睡眠が浅くなってしまうことがあります。
呼吸やいびきは、睡眠の深さに関係していると考えられています。
これは、鼻呼吸よりも口呼吸の方が体内への酸素供給量が少なくなることが関係していて、いびきをかく人は口呼吸になってしまうことが多く、体内への酸素供給量が少なくなり脳への酸素供給量が少なくなります。すると覚醒反応を引き起こして眠りが浅くなってしまうことがあると考えられています。
口呼吸やいびきは、気道(鼻から続く空気の通り道)に狭い場所があり、睡眠中の筋肉のゆるみによって狭くなっている場所がさらに狭くなることが原因のひとつと考えられています。
眠りが浅いということは、
などの病気が隠れている可能性があります。
また、浅い眠りが続くことは、生活習慣病の原因になりかねません。日中に眠気がある、疲れが取れないという人は、ただの寝不足と軽く考えずに睡眠習慣を見直しましょう。
「眠りが浅くても睡眠時間をたっぷり確保すれば問題無い」と考える方もいるかもしれません。
しかし、残念ながら睡眠時間を長くとっても浅い眠りを改善できるとは限らないのです。眠りが浅いのは、病気や生活習慣が関原因の可能性があります。定期健診で自分の健康状態を確認し、気になる症状があるときは早めに病院で検査してもらいましょう。そして。日ごろの生活習慣を見直し、健康的な睡眠がとれるようにしてください。