記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/23
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
目を離した隙に飲み物にお酒や異物が混ぜられ、記憶を失っている間にレイプや窃盗などの事件に遭ってしまうドリンク・スパイキング。
今回の記事では、「実際に被害に遭ってしまった場合はどうすればいいのか?」を中心に対処法をご紹介していきます!
自分の飲み物に異物を混入されたと思ったら、まず信頼できる人(親友、近親者、警察など)に伝えてください。
もしあなたが一人なら、信頼できる人を呼んで安全な場所へ一緒に避難してください。
緊急の助けが必要な場合は、110や119通報をしてください。やむを得ず知らない人に助けを求めた場合は慎重にし、一緒に抜け出すようなことはしないでください。
気分が悪い場合には、信頼できる人に下記のお願いをしてください。
・最寄りの緊急病院まで連れて行ってもらう
・病院で、あなたがドリンク・スパイキングの被害にあった可能性があることを伝えてもらう
・あなたの家まで送っていってもらう
・体内からドラッグの影響が完全に消えるまで一緒にいてもらう
被害に遭ったらできるだけ早く警察に通報し、血液や尿のサンプルを提供しましょう。ほとんどの薬物は摂取後72時間以内(「デート・レイプ・ドラッグ」のGHBの場合は12時間以内)には効果が消えるので、早急に検査を受けることが重要です。
もし海外で被害に遭った場合は、旅行代理店の担当者や地域の医療機関からサポートを得るか、そのバーやホテルマネージャーに頼んで地元の警察に通報してもらってください。また、日本大使館への連絡先を確認し、電話するようにしてください。
もし身体的暴行を受けたり、強盗の被害にあったり、あるいはその両方をされた場合には警察に通報してください。
その加害者について以下のような情報を求められることになります。
・加害者は知っている人物か
・どのような外見だったか
・被害に遭った場所
・どんなことをされたか、何が持ち去られたか
また、警察はあなたの負傷についての記録を保持しておく必要があるため、病院で治療を受けなければいけないケースもあります。
もしレイプの被害に遭った場合は、できるだけ早く病院で治療を受けてください。
性感染症(STI)に感染しているか、または妊娠しているか検査する必要がある場合があります。事件について言いたくない場合は、すぐに警察に通報する必要はありません。
レイプの被害に遭った際には、以下の機関に連絡すれば専門的な支援を受けることができます。
・レイプ被害者への支援を行っている慈善団体
・病院などの緊急救護施設
・性病を扱う機関やサービス
・避妊クリニック
・若い人を対象としたクリニック・サービス
なお、法医学検査による証拠は、警察に通報するかどうか悩んでいる間にも保管してもらうことができます。
実際にドリンク・スパイキングをされ、レイプや強盗などの事件に遭ってしまった場合できるだけ早めに通報することが大切です。特にレイプの場合は、「恥ずかしさから通報できない」というケースも多く見られますが、性感染症(STI)や妊娠のリスクもあるので、専門の医療機関には早急に相談するようにしてくださいね。
海外旅行に行く人は、飲酒時や一人で出かける際には特にご注意を!