記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年シーズンになると、鼻水や鼻づまり、目のかゆみなどの辛い症状に見舞われる花粉症。花粉症対策といえばマスクや市販薬、病院の薬が一般的ですが、漢方薬にも有効なものはあるのでしょうか。今回は、花粉症への効果が期待できる漢方薬について解説していきます。
症状や予測される原因の改善や排除を試みる西洋医学に対して、東洋医学では花粉症で乱れた体内バランスを漢方薬で整えることによって、症状の改善を目指します。
このような東洋医学の考え方に基づいて効果的な漢方を服用することで、花粉症の症状を抑えられる場合があります。
東洋医学において体調は「気」「血」「水」のバランスによって左右されるものであり、花粉症は鼻水・鼻づまりの症状が出ることから、このうち体液を司る「水」の症状とされることが多いといわれています。
このため、花粉症対策では体内の過剰な水分を排出する漢方薬を服用するのが一般的です。
また病院によっては、患者の症状にあわせて西洋医学で使われる花粉症薬と漢方薬を併用して、治療をすすめていく場合もあります。
ここからは、花粉症の治療に使われる主な漢方薬を5つ、それぞれが効果を発揮する症状と一緒にご紹介します。
花粉症対策として最もよく使われている漢方薬です。
花粉症症状のなかでも、鼻づまりが特にひどい人に処方される漢方薬です。効果があまり感じられない場合は、この薬の代わりに越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)が使われることもあります。
身体を温める効果のある漢方薬です。身体への水害は冷えに一因があり、冷えを解消することで水分が排出され、症状が良くなるという東洋医学の考え方に基づいて処方されます。
症状だけでなく、花粉症によるアレルギー反応そのものを抑えられるよう、胃腸などを強める効果も期待できる漢方薬です。小青竜湯の代わりとして使われることもあります。
花粉症のなかでも特に水毒体質が強い人、また小青竜湯など他の漢方薬に多く含まれる麻黄に副作用が現れやすい人に対して、良く用いられます。
西洋医学と東洋医学では、治療や薬への考え方そのものが異なります。このため、漢方薬を使えば、西洋医学とは別の角度からの花粉症改善へのアプローチも可能です。また、花粉症用の漢方薬にも、西洋医学の薬と同様にさまざまな種類があります。
市販薬や病院の薬では効果があまり感じられない、身体に合っていないように感じるという人は、医師や薬剤師に相談の上試してみてはいかがでしょうか。