記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/27 記事改定日: 2019/11/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
温泉は筋肉痛などを軽減する効果があると考えられていますが、自宅のお風呂でも同様の効果は得られるのでしょうか?今回は、お風呂がもたらす筋肉痛の予防効果や、入浴のポイントについてお伝えしていきます。
筋肉痛の発生メカニズムに関しては諸説ありますが、今までは筋肉を動かすことで「乳酸」が筋肉に蓄積され、中性だった筋肉が酸性化して筋肉が固くなることで炎症や痛みが起こる、という説が一般的でした。
ただ、最近は炎症メディエーターやサイトカインなどのような発痛物質が原因ではないかという説が主流になりつつあります。
乳酸説にしても炎症メディエーター説にしても、原因となる物質を流してあげるためには、「血行を促進する」ことが重要と考えられるでしょう。
そのため、ぬるめのお風呂で体を温めることは血行改善につながるため、筋肉痛の予防に効果が期待できると考えられているのです。
お風呂は筋肉痛を予防・軽減の効果をより高めるためには、以下のポイントを心がけるようにしてください。
ぬるめのお湯は、リラックス作用のある副交感神経が優位になり、筋肉が緩むことで血液の巡りが良くなるとされています。
筋肉疲労の回復効果を上げるには、お風呂の温度を38〜40℃のぬるめに設定することが重要です。
なお、熱めのお湯に長く浸かることは、炎症を活性化して痛みを強めることがあるのでおすすめできません。
運動後は、発泡するタイプの炭酸ガス系の入浴剤を入れるのがおすすめです。
炭酸ガス系の入浴剤には、血液の循環を改善し、筋肉疲労を回復する効果があるといわれています。
血行を促進する入浴法としておすすめなのが、熱いお湯と冷たい水を交互に浴びて体を刺激する「温冷交代浴」です。これにより末梢血管が拡張し、酸素や栄養が筋肉へ送られることで筋肉痛が緩和しやすくなるといわれています。
温冷交代浴のやり方は以下の通りです。
お風呂は筋肉痛予防に効果的ではありますが、運動直後や痛みが激しい間の入浴は控えてください。筋肉で炎症が起きている間は、お風呂で血流が良くなると炎症が促進されてしまうため、むしろ筋肉を冷やして炎症を鎮めることが重要になります。運動から少なくとも30分以上経過し、ズキズキ感がおさまってからの入浴を心がけてください。
お風呂に浸かるのがおすすめできないのは、激しい運動をした後や筋肉痛があるときです。これは筋肉にダメージが生じ、炎症を引き起こしている状態です。
炎症が強い場合はお風呂に浸かると患部が温められて痛みなどの症状が悪化してしまうおそれがあります。
次のような症状があるときは無理にお風呂に浸かるのは控えましょう。
筋肉痛には発痛物質が関わっています。お風呂に入って血流促進することは発痛物質の排出に役立つため、筋肉痛を予防・軽減できる可能性があります。また、筋線維の回復を早めるという意味でも血流を改善することにマイナス要素はないでしょう。
温度調整や入浴のタイミングにも注意しつつ、ぜひ実践してみてください。