記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
過呼吸の応急処置では、紙袋を使う以外の方法はあるのでしょうか?また、どのような症状のときに病院へ行けばいいのでしょうか?過呼吸の対処法について解説していきます。
過呼吸になると大抵の人は、ペーパーバッグ法と呼ばれる、紙袋を口と鼻に当てて、吐いた息を吸う方法を用います。過呼吸は、酸素の吸入量が過剰になり、二酸化不足になることにより生じるため、紙袋に吐き出した二酸化炭素を吸うことで、呼吸を整えようというものです。
しかし、近年ではこの方法は本人に恐怖や混乱を引き起こす恐れがあるため、あまり勧められていません。特に高齢者が過呼吸に陥った場合、応急処置としてペーパーバッグ法を行う人が多いのですが、二酸化炭素の吸入量が過剰になり、窒息に至る恐れがあります。過呼吸の発作を抑えるための適切な方法を学んで、実施することが大切です。
過呼吸になったときには、ゆっくりと呼吸をして呼吸回数を抑えることで、血液中の二酸化炭素が流出しないようにすることが大切です。そのためには、以下のようなことを行うようにしましょう。
過呼吸が長時間続くと、以下のような症状が現れることがあります。応急処置をして症状が落ち着いたら、後日医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。
基本的に症状がすぐにおさまるようであれば経過観察で問題ありませんが、過呼吸が慢性的または長時間続くときは、一度医療機関を受診してみましょう。
過呼吸の症状が悪化すると、まれに失神発作を起こすことがあります。また、発作がなかなか治らず長時間経過したり、パニック症状が出ていて応急処置では対処できない場合は、早急に救急車を要請するようにしましょう。
過呼吸のほかに、心臓、肺、脳などの病気がある場合は、かかりつけの担当医に相談するようにしましょう。かかりつけの病院に行けないときには、内科で診てもらい必要に応じて、専門の病院を紹介してもらいましょう。
過呼吸が何度も頻繁に起こる場合は内科、心療内科・精神科を受診しましょう。カウンセリングを行うことにより、不安や緊張感を改善する方法や、適切な対処方法をアドバイスしてもらえます。
紙袋を口と鼻に当てて吐いた息を吸うペーパーバッグ法は、現在ではあまり勧められていません。過呼吸になったときには、息をゆっくりと長く吐くなど落ち着いて対処し、また発作が長時間続いたり、パニック症状が起きていて応急処置で対処できない場合は、早急に救急車を要請しましょう。