嘔吐物が緑色!?考えられる原因は?どう対処すればいいの?

2018/7/23

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

吐き気に襲われて、出た嘔吐物が緑色--。かなりギョッとする状況ですが、この緑色の嘔吐物の原因は何なのでしょうか?対処法と併せて解説していきます。

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突然、緑色の嘔吐物が!原因は?

嘔吐物といえば無色透明もしくは黄色、茶褐色というイメージがあるため、緑色の嘔吐物を見て驚く方も少なくありません。

嘔吐物が緑色となる主な原因は胆汁であり、緑色の嘔吐物を嘔吐することを胆汁性嘔吐ともいいます。胆汁はそもそも肝臓で生成され、胆のうに溜まり十二指腸に流れていきます。しかし、その胆汁が後述する原因によって十二指腸から胃、食道を通って嘔吐してしまうことによって、緑色の嘔吐物が見られます。胆汁を嘔吐すると色が緑色なだけでなく強い苦みがあることも特徴です。

緑色の嘔吐物が出るのはどんなとき?

緑色の嘔吐物が出る原因には、腸重積やイレウス(いわゆる腸閉塞)といった疾患が考えられます。特に、十二指腸乳頭部より遠位部腸管の閉塞で嘔吐物が緑色になるとされており、外科的疾患が原因であることが多いです。

また、緑色の嘔吐物を嘔吐する疾患は新生児、乳児、幼児に多いとされており、腸閉塞以外にも、腸回転異常症および中腸軸捻転、ヒルシュスプルング病、鎖肛、外鼠経ヘルニアの嵌頓などの先天性疾患の場合にも見られます。

緑色の嘔吐物が出たときの対処法は?

緑色の嘔吐物の原因となる先述の疾患のほとんどは、経過観察などで改善することが無く、開腹手術が必要となります。また、胆汁を嘔吐すると胃や腸はかなり大きな負担がかかるため、胃や腸に何かしらの合併症を招いてしまうだけでなく、処置そのものが遅れてしまうと腸管の大量壊死などを招いてしまい、その結果として生命への危険性を高めてしまいます。

そのため、緑色の嘔吐物が見られた、緑色の嘔吐物を何度も嘔吐する、緑色の嘔吐物以外にも腹痛や腹部の膨満感が見られるなど、他にも消化器症状が見られるといった際には早急に医療機関、救急外来を受診することをおすすめします。
また、原因疾患があっての嘔吐なので、吐き気止めなどの対症療法を行って症状を改善させようとするのは避けてください。

おわりに:緑色の嘔吐物を嘔吐したら、なるべく早急に医療機関の受診を

緑色の嘔吐物の正体は胆汁であり、本来肝臓で生成された後に胆のうにたまり、十二指腸へと流れていくものが、逆流してしまうことによってみられるようになります。こういった胆汁性嘔吐は、腸閉塞などの原因疾患のサインの可能性があるので、早急に医療機関を受診してください。放置していると重篤化し、生命に関わる危険性があります。

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