感染症予防の3つの原則とは?家庭でできる対策はある?

2018/7/25 記事改定日: 2020/5/11
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなど、世の中にはさまざまな感染症が存在します。これらの感染症を予防するには「3つの原則」を守ることが大切です。
この記事では、自分自身と家族を守るために知っておきたい「家庭でできる感染予防の三原則」について解説していきます。

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感染症予防の三原則と感染症発生の三要素とは?

「感染症」とは、病原体となる微生物が体内に侵入し増殖して起こる病気です。微生物そのものは数千種類もありその中で病気を起こすのは少数で、感染症を引き起こすかどうかは微生物の性質とその人の抵抗力によって決まります。

感染症が発生するには、以下の3つの要素が必要です。

感染源
病気の原因となる細菌やウイルスなどの微生物を持つ物や人
感染経路
接触感染、飛沫感染、空気感染など、病原体が体内に侵入する経路
感受性のある人(感染を受ける可能性のある人)
特に抵抗力の弱い高齢者や乳幼児、病人など

この三つがつながることで感染症が発生し、このつながりを断ち切ることで予防が可能となります。

感染予防の三原則

感染症発生に3つの要素があるように、感染予防にも三つの原則があります。

感染源の排除

感染源とは病原性の微生物(ウイルス、細菌、カビを含む真菌など)のことで、患者自身のほか、さまざまな汚れ、血液や体液、おう吐物や排泄物なども感染源となります。主な対処方法は、近づかない、触らない、汚物は袋に入れて廃棄、隔離、清掃・洗浄、消毒などをすることです。

感染経路の遮断

病原性微生物は目に見えないため、完全に排除することは難しいです。そのため、感染経路に対する予防策が必要になります。おもな感染経路には、飛沫核(空気)感染、飛沫感染、接触感染、経口感染、血液感染などがあり、それぞれの経路に対して持ち込まない、持ち出さない、広げないことを徹底する必要があります。

健康・免疫の管理

症状の変化を早い時期に発見できるようにするためにも、免疫力を維持して重症化を防ぐためにも、普段から健康管理に気をつけることが大切です。高齢者、乳幼児、持病がある人などは免疫力の低いため、とくに注意しましょう。
栄養、睡眠、休息を十分にとり、適度な運動をして体力をつけ、必要な予防接種を受けるようにしてください。

感染症予防として家庭でできる対策はある?

自宅でできる感染症予防策の基本は、「手洗い」です。手洗いは、以下の手順で行うようにしてください。

  1. 爪は短く切り、手洗いの前に時計や指輪ははずして、流水で濡らした後石けんで手のひらをよくこする
  2. 手の甲を伸ばすようにこする
  3. 指先・爪の間を念入りにこする
  4. 指の間を洗う
  5. 親指と手のひらをねじり洗いする
  6. 手首も忘れずに洗う
  7. 水で十分に流し、清潔なタオルなどでよく拭きとって乾かす
  8. 1〜7を二度繰り返す

帰宅後、食事前、トイレの後にはしっかり手を洗うようにとくに注意しましょう。

免疫を高めるために家庭でできる対策は?

感染症を予防するためには、上で述べたような病原体を体内に取り込まない対策を行うことが大切です。しかし、対策を徹底しても病原体の侵入を完全に防ぐことはできません。

感染症にかからないようにするためには、体内に病原体が侵入した病原体を退治する「免疫」の機能を正常に保つことが大切です。以下の対策を行いましょう。

  • 睡眠や休息をしっかりとって疲れをためない
  • できるだけストレスのない生活を送る
  • 規則正しい生活リズムを心がける
  • 栄養バランスの良い食事と摂る
  • 排便習慣を整える
  • 喫煙や過度な飲酒を避ける

おわりに:感染症予防の三原則は「感染源の排除」「感染経路の遮断」「健康・免疫の管理」

感染症にかからないようにするには、感染源を避け、手洗いなどを励行して持ち込まない、広げないようにすると同時に、生活習慣を整え抵抗力のある体をつくることが大切です。手洗いや健康な体作りなど、日頃からできることを積み重ねていきましょう。

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