記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
HIVなどの性病(性感染症)の検査は、病院だけでなく一部の保健所でも行っており、梅毒も保健所で検査ができる性病のひとつです。そこで今回は梅毒の検査を保健所で受けるメリットやデメリット、検査費用などについてご紹介していきます。
「梅毒の検査は病院で受けるもの」というイメージが強いかもしれませんが、実は一部の保健所でも検査を受けることができます。では、病院で受ける検査と違い、どんなメリットやデメリットがあるのか、以降でご紹介していきます。
保健所で受けられる梅毒検査は、原則無料で受けられます。また、無料のため保険証がなくても検査を受けることができます。
保健所では、検査時に名前を申告する必要はありません。
保健所は毎日性病検査を実施しているわけではなく、検査日が決まっています。また、1日に検査できる人数にも上限があります。そのため、予めご希望の保健所に問い合わせ、必要であれば予約をしておく必要があります。
病院での検査であれば、梅毒が発覚したらそのまま治療に移行できます。しかし保健所はあくまで検査だけを行っているため、治療が必要になったら病院を受診する必要があります。
梅毒の検査ができるお近くの保健所については、下記リンクからお探しください。なお、検査に必要な手続きなどについては保健所によって異なるので、事前に問い合わせておくことをおすすめします。
梅毒感染の疑いがある性行為をした場合、その後すぐに検査をしても正確な結果は得られません。梅毒のウインドウピリオド(病原体に感染してから、検査で検出できるようになるまでの空白期間)は、感染からおよそ4週間といわれているので、少なくとも4週間以上待ってから検査を受けてください。それよりも早く検査を受けてしまうと、本当は感染しているのに「陰性」と出てしまう恐れがあります。
ただ、いつから検査が受けられるのかについては、保健所によって異なる場合があります。事前にご希望の保健所に問い合わせ、確認をとるようにしてください。
梅毒の検査を受けて感染が発覚した場合は、エイズ(HIV)の検査も受けるようにしてください。複数の性病に同時感染する例は珍しくなく、特に梅毒感染者はHIVに重複感染する確率が2倍以上になるともいわれています。これは梅毒に限った話ではありませんが、性病に感染すると粘膜組織が弱るために、HIVの感染リスクが上昇すると考えられています。
なお、梅毒は第1期~第4期の4つの段階で症状が進行していき、中でも深刻な段階といわれる第3期に到達するまでには、3年程度かかるのが一般的です。しかし、HIVと重複感染している場合は悪化のスピードが早く、たった数ヶ月間で第3期に到達してしまうケースもあるといわれています。
第3期以降になると、治療に時間がかかるだけでなく深刻な後遺症が残る恐れもあるので、梅毒といっしょにHIVの検査を受けることが重要なのです。
保健所での梅毒検査は、日程や定員が決まっているなどのデメリットはありますが、原則無料かつ匿名で受けることができます。梅毒は主にコンドームなしでの性行為で感染するリスクがあり、発症すると性器付近のしこりや皮膚の病変などを引き起こします。気になる症状があればお近くの保健所に問い合わせ、適宜検査を受けるようにしてください。