記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年、一酸化炭素中毒で亡くなっている人がいます。こういった悲しい事故を減らすためには、「なぜ一酸化炭素中毒が起こるのか」「どうしたら予防できるのか」などを知っておくことが重要です。予防のために、ぜひこの記事の内容を役立ててください。
一酸化炭素中毒を発症するまでの時間は、空気中の「一酸化炭素濃度」が関係しています。その具体的な関係については、以下をご覧ください。
このように一酸化炭素濃度が高くなるにつれて、中毒が起こるまでの時間が短くなります。ちなみに、空気中の一酸化炭素濃度は「0.00005%(0.5ppm)」程度となっています。そのため、日常生活を送っている分には、一酸化炭素中毒を心配する必要がありません。
一酸化炭素中毒に気づきにくい理由は、「一酸化炭素(CO)」の特徴が関係しています。そこで一酸化炭素の特徴を説明しつつ、なぜ自分では気づきにくいのかを解説します。
一酸化炭素という物質は無色透明なので、見ただけでは認識することができません。さらに無臭でもあるため、においを嗅いでも気づくことができないのです。そのため、気づかない間に一酸化炭素を吸い続けてしまい、中毒を起こしてしまう可能性があります。
一酸化炭素中毒の初期症状には頭痛や吐き気など、風邪と似たような症状が見られます。そのため、風邪と勘違いしてしまい、気づくのが遅れてしまう場合があるのです。
一酸化炭素の特徴は、酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいことです。一酸化炭素を吸い続けると、身体に酸素を運べなくなって酸欠状態を引き起こします。そして、運動障害や意識障害なども起こすため、異変に気づけても手遅れになってしまう可能性が高いです。
通常であれば、一酸化炭素中毒を招くような心配はありません。しかし、閉めきった室内で石油ストーブや七輪、ガスコンロなどを使うと、空気中に一酸化炭素が溜まってしまう可能性があります。特にテント内や車内などの狭い空間だと、一酸化炭素が溜まりやすいです。
また、石油ストーブなどを使ったまま眠ってしまうと、就寝中も一酸化炭素を吸い続けてしまいます。そうすると全く気づくことなく、重症を起こしたり、最悪の場合は命を落としたりする危険性があります。そのため、暖房器具を消してから眠った方が安全だといえます。
一酸化炭素中毒を予防するためには、「室内に一酸化炭素をためない」ことが重要になります。そこで一酸化炭素中毒を予防するためのポイントを3つ紹介します。
一酸化炭素中毒を予防するために大切なのは、こまめに換気をすることです。特に調理中は換気扇を使ったり、窓を開けたりする必要があります。また、石油ストーブなどを使う場合は、1時間に5分程度は換気の時間を設けるようにしましょう。
一酸化炭素は石油やガスなどを燃やすことで発生するので、暖房器具には電気ストーブやエアコンなどを使うことをオススメします。このように同じ暖房器具でも「電気」を使うタイプであれば、一酸化炭素中毒を起こす心配はありません。
一酸化炭素は見た目やにおいでは気づくことが難しいので、CO検知センサーをつけるのも忘れないようにしましょう。センサーを取り付けておくと、中毒を起こす前に一酸化炭素の蓄積を知ることができます。
閉め切った室内などに一酸化炭素が溜まり、それを吸い続けると「一酸化炭素中毒」を発症する可能性が高くなります。そのため、予防には換気が重要になるので、窓を開けたり、換気扇を使ったりして、意識的に空気を入れ替えるようにしましょう。