記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/4
記事監修医師
前田 裕斗 先生
抗うつ剤によって不妊になることはあるのでしょうか?また、服用中の妊娠はあきらめた方がいいのでしょうか?
この記事では抗うつ剤と不妊の関係について解説していきます。不妊治療中の方や不妊治療を検討している方は参考にしてください。
抗うつ剤を内服すると、高プロラクチン血症や黄体機能不全により不妊を引き起こすことがあります。
プロラクチン(PRL)とは乳汁分泌ホルモンと呼ばれるもので、出産する際に脳下垂体から分泌され、母乳の分泌を促す作用があります。
高プロラクチン(PRL)血症とは、プロラクチンの分泌が促進されることにより、無排卵や黄体機能不全などの原因となる症状のことで、乳汁分泌が起こることがあります。授乳期間中に排卵が止まるのは、このプロラクチンが多量に分泌されているためです。
ストレス、甲状腺機能低下、多嚢胞卵巣症候群、脳下垂体のプロラクチン産生腫瘍など
ドーパミンを抑制する作用のある睡眠薬、精神安定剤、胃薬などの薬を服用すると、一時的にプロラクチンが高値となることがあります。
また、ホルモンバランスの乱れによって高プロラクチン血症となることもあるため、胃潰瘍の治療薬、抗うつ剤、降圧剤などの薬剤を長期服用する場合は注意が必要です。
黄体とは、排卵後の卵胞が変化して形成される器官のことで、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌することによって、受精卵の子宮内膜への着床や妊娠を維持する働きがあります。そのため、黄体機能不全と呼ばれる、黄体から分泌されるホルモンが減少したり、黄体の存続は短縮する状態となると、不妊症の原因となることがあります。
薬剤性高プロラクチン血症は、プロラクチンの高値の原因となっている薬剤の服用を止める、または違う薬剤に変更することで基本的には治癒します。
しかし、それでもプロラクチンが高い状態が続く場合は、薬剤の量を減らしたりドパミン製剤の処方などが行われます。
ドーパミンを抑制する作用のある睡眠薬、精神安定剤、胃薬などの薬を服用すると、一時的にプロラクチンが高値となることがあります。また、胃潰瘍の治療薬、抗うつ剤、降圧剤などの薬剤でも高プロラクチン血症になるため、長期服用する場合は注意しましょう。
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