株式会社SPLENDID 二宮英樹
2018/5/1
医師を目指したきっかけはなんですか?
父親が医師である影響が大きかったです。地元で開業しているのですが、父親と犬の散歩に行くと、すれ違う人に声をかけられて、「この間はありがとうございました」など、感謝される姿を見て、良いなと思いました。
大学では、何を学んできましたか?
まず、自分の頭で課題設定をすることを学びました。大学受験までは課題(問題)や勉強する範囲、勉強する材料が与えられていたのに対して、大学生になってからは自ら課題を見つけにいくことを学びました。その課題に対して、解決手法すら自分で調べ、考えて解決していく体験ができたのは大きかったです。
また読書を通じて、哲学や社会学、経営論、組織論、リーダーシップ論を学ぶなかで、マクロな視点が養成されました。
現在は何を専門に治療されていますか?
現在は医療データを使った研究をしています。実は日本の医療も、その質は地域や病院、医療者によってばらばらです。一つの大きな原因は、医学が進歩するスピードがはやく、また1人の医師では様々な診療科、疾患領域をカバーできなくなっているからです。
現在行っている研究は医療の質や標準化に関連する研究ですが、その先には、現場で働く医師や患者さんに対して、適切な医療がマッチングされるような仕組みづくりを見据えています。
医師として、一般の方に伝えたいことを一言お願いします
医療情報というものは、とてもむずかしいです。医師の世界でも、10年前に正しいと考えられていたことが、実は間違っていた、ということがあります。また一般の方々が考えている以上に、実は医師自身も人の体や治療についてわかっていないことも多いです。その理由は、医療には不確実性や個別性が含まれているからです。
突然病気になった場合は、戸惑ったり、落ち込んだり、気持ちの整理がつかなかったりすることが多いと思います。気持ちは時間とともに整理していくと同時に、医療情報にはうまく向き合ってください。医師ですら分からないことは多いのです。大切なことは、どこまでが分かっていて、どこまでがよく分かっていないのか、という整理をすることかと思います。