記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
手にあかぎれやひびができてしまったとき、薬局でハンドクリームを探すという方は多いかと思います。でも実際に行ってみると種類が多すぎて、どれがいいのかわからなくなってしまうことがありませんか?以降ではあかぎれやひびができたときの、ハンドクリーム選びのポイントをお伝えしていきます。
まず、手の皮膚に線状の亀裂ができてしまうものを「ひび」、このひびが悪化して出血や赤みを帯びたものを「あかぎれ」といいます。あかぎれになると、手を洗う際に水がしみて痛んだりし、日常生活で支障を感じるようになります。
こうしたひびやあかぎれの悪化を防ぐには、ハンドクリームを塗って皮膚を保護するのが有効ですが、ハンドクリームには以下の3種類があります。
このうちひびやあかぎれにおすすめなのが、ビタミン系のハンドクリームです。ビタミンA、B、C、Eなど配合されたビタミンが血流を促し、肌のターンオーバーに働きかけてくれるので、治りを早める効果が期待できます。
市販のハンドクリームでおすすめなのは、まず「ユースキン®A」です。血流を改善するビタミンE酢酸エステル、消炎成分のグリチルレチン酸、dl-カンフル、うるおい成分としてビタミンCやヒアルロン酸ナトリウムが配合されており、ひびやあかぎれ、しもやけなどを改善してくれます。
そのほかにおすすめなのは、「アトリックス エクストラ プロテクション」です。ビタミンEやアラントインなどの薬効成分やヒアルロン酸が配合されているほか、水を弾く密封膜で水仕事でも落ちにくい仕様になっています。
ひびやあかぎれに尿素系のハンドクリームは基本的にNGです。傷の部分に入ると刺激になって沁みてしまい、症状を悪化させる恐れがあります。
なお、同じ尿素系でも皮膚科で処方されるパスタロン®は油中水型(外装が油で中に水を含むタイプ)で基本的に油なので、沁みる恐れはほぼありません。ただ、ケラチナミンやウレパール®といった他の尿素系クリームは、水中油型(外装が水で中に油を含むタイプ)で基本的に水なので沁みてしまいます。
ハンドクリームで保湿をしても症状がなかなか改善しない、ひびやあかぎれが悪化してしまっているという場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。皮膚科では、患部を保湿しつつ炎症を抑えるクリームや、ステロイドの塗り薬などを処方してもらうことになります。
ハンドクリームには「ビタミン系」「尿素系」などのタイプがあり、手の症状に合わせて使い分けることが大切です。市販の軟膏で治すのも有効な手段ではありますが、間違ったケアをしてしまうとかえって炎症が悪化することもあるので、困ったらまずは皮膚科の受診を検討しましょう。
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