記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/24
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠がわかった喜びに、しばらくはひたっていたいものでしょう。でもすぐに体調変化や食べ物の好みの変化が起きて、戸惑います。そんなとき、無事に出産までこぎつけるのかと、ますます不安が増します。妊娠を機に、早めに知っておきたい保険のことをご紹介します。
長い間、妊娠の定期健診は保険の対象にはならず、自治体からの特別な措置なども受けられませんでした。しかし近年の少子化対策として助成するしくみになってきました。最近では問題無い妊娠過程を経た方であれば、妊婦健診のほとんどを助成してもらえる自治体も増えてきています。平均して妊婦さんは全部で15回前後は必ず検診を受けるとされていますから、これは助かります。
住んでいる地域によって、条件には差があります。おおむね15回前後を負担してくれるところが多く、母子手帳を交付されるときに、受診券が配布されるところが多いようです。回数に関係なく検診費用を全額負担してくれる自治体もありますので、事前に調べてみてください。
病気と認められる重症のつわりや、逆子や前置胎盤が検査で認められた場合、また、切迫流早産や異所性妊娠(日本では子宮外妊娠と呼ばれることが多い)も対象となります。その他に、妊娠高血圧症候群などのリスクのある妊娠も、治療費、入院費など医療費が対象となります。これらに関連する超音波検査も含まれます。一部条件がある場合もありますので、病院・自治体に確認してください。
自分が加入している生命保険や医療保険の、補償条件を細かく見直してください。妊娠関連でどこまでが保障されることになっていますか。請求は自己申告制ですから、知らないでいると損することになります。
また最近では保険会社の生命保険の商品に、やはり少子化の影響もあって、女性のリスクを手厚く保障する内容のものが登場しています。妊娠から出産にともなう、赤ちゃんのリスクもある程度想定しておく必要があります。将来設計の意味からも、生命保険を見直すよい機会になるかもしれません。
企業の健康保険や自治体の国民健康保険加入者は、出産したときに出産一時金が42万円支給されることになっています。
これは加入者が、妊娠中(85日以後)に流産、早産をした場合も支給されます。健康保険の補償条件も細かく確認しておきましょう。
「いつか赤ちゃんがほしい」と思い描いていたことがいざ現実のものとなったとき、通院や検査などで費用がかかることに驚かれるかもしれません。その日に備えて、保険が将来を予測した安心材料のひとつになるといいですね。