記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/4/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
赤ちゃんや子どもの湿疹・・・といって最初に浮かぶのはアトピー性皮膚炎ではないでしょうか。
アトピー性皮膚炎は子どもの代表的な湿疹です。皮膚のかゆみ、赤み、ひび割れを伴い、特に赤ちゃんにとってはとてもつらい症状ですが、ほとんどは子どもの成長とともに改善していきます。ここでは、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について解説します。
赤ちゃんによくみられる湿疹には、次のものがあります。
激しいかゆみを伴い、「搔く」ことで炎症を起こします。湿疹は、痛みや透明な液がにじみ出たりしながら額(ひたい)、眼・口・耳のまわり、四肢関節部、体幹に広がります。左右対称にあらわれるのが特徴です。
日本小児皮膚科学会によると、その重症度は以下のように分類されます。
・軽症:面積にかかわらず軽度の皮疹
・中等症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%未満にみられる
・重症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%以上、30%未満にみられる
ブドウ球菌が原因の皮膚感染症です。触ると火事の「飛び火」のようにあっという間に広がることから「とびひ」といわれています。
伝染性軟属種のウイルスによって人から人へうつります。7歳以下の子どもに多くみられます。発疹は水っぽく光沢があり、イボのように出っ張っているので「みずいぼ」と呼ばれています。
湿疹やアトピー性皮膚炎の治療は、薬物療法、外用療法とスキンケア、悪化因子を探し出すことが基本となります。症状がひどいときは医師による治療はもちろんですが、家庭でできる下記のような予防法があります。
家庭用洗剤、アフターシェーブローション、石けん、ガソリン、松ヤニなど、湿疹を発症する成分との接触を避けましょう。石けんはマイルドで無香料のベビー用のものを使用し、洗ったあとは完全に乾かすようにしましょう。
水に触れるときは、ビニールまたはプラスチックの手袋を着用して皮膚を刺激する可能性のあるものに触れる場合も手袋を着用しましょう。空気が冷たくて湿度が低いと皮膚が乾燥して、湿疹が悪化することがあります。
羊毛や合成繊維は肌を刺激するため、綿製の衣類を着るようにしましょう。
お風呂やシャワーの後は、柔らかいタオルで肌をやさしく拭き、保湿のために保湿クリームを塗ってあげましょう。
保湿用クリームは、肌を柔らかく柔軟に保ち、皮膚の亀裂を防ぎます。添加物が少ないタイプが最適です。芳香剤や余分な成分を含むものは避け、原料にワセリンが入っているクリームよりも、グリース状のものがおすすめです。
汗をかいて体温が上がると、皮膚が刺激されてかゆくなります。あまり汗をかかないように調整してあげましょう。
アトピー性皮膚炎は、乳児期に始まり小児期へと続きます。成長するにつれて寛解し、大人になれば症状はなくなります。とはいっても、赤ちゃんにはとてもつらい症状です。少しでも快適に過ごせる工夫をして、見守ってあげたいですね。