記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/5/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
りんご病は、特に子供の鼻の付け根から両頬の広い範囲にかけて、りんごや蝶のようなかたちの特徴的な発疹・紅斑が現れることが知られています。今回は、りんご病による発疹やかゆみが続く期間と症状緩和に有効な対処法、治療するのに使われる薬の種類などを解説していきます。
りんご病は伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)という病気で、ヒトパルボウイルスB19というウイルスへの感染によって発症する感染症の一種です。子供が感染・発症することが多く、特に毎年春~初夏にかけて流行すると言われています。
主に感染者やその人が触れた物、または感染者からの飛沫に触れることで感染し、6~11日の潜伏期間を経て以下のような経過で発症します。
上記の通り、りんご病にかかった子供の発疹やかゆみは、発疹が現れ始めてから1週間程度続いて、その後は自然に消失していくのが一般的です。
子供ではなく大人がりんご病にかかった場合、症状の1つとして手足にむくみが現れることも珍しくありません。大人がりんご病にかかった場合に現れる特徴的な症状としては、以下が挙げられます。
りんご病の原因ウイルスに効果的な抗ウイルス薬は、いまのところ存在しません。このため、りんご病による発疹やかゆみの治療は、基本的には時間と共に自然に症状が落ち着き回復するのを待つことになります。
ただ、我慢ができずに体中をかきむしったり、夜も眠れないほどかゆみが強い場合は、対症療法として抗ヒスタミン薬などかゆみ止めが処方されることもあります。患者本人がとてもかゆがっていたり、かきむしりが心配なようなら、医師に対症療法のためのかゆみ止めを処方してもらえないか相談すると良いでしょう。
りんご病による発疹やかゆみの症状が現れたとき、症状緩和のために日常生活でできる工夫として以下が挙げられます。
入浴や日光浴、運動などで体温が上がったり、血管が拡張すると、皮膚にかゆみと赤みが増してりんご病による症状を悪化させかねません。りんご病による発疹・かゆみを緩和するには、できるだけ患部を触らないようにし、安静に過ごすのが重要と覚えておきましょう。
りんご病による顔・体への発疹やそのかゆみは、現れ始めてからおよそ1週間で自然に引いていきます。ただし、原因ウイルスに効く治療薬はまだないため、治療は症状を緩和するための対症療法がメインとなります。かゆみを和らげる薬として、抗ヒスタミン薬などかゆみ止めが処方されるのが一般的です。また、罹患中は入浴や運動を控えるなどしてかゆみを抑えることも、りんご病の症状改善に効果があります。