手の指がズキズキ痛い&腫れるのは腱鞘炎?

2019/3/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

パソコンやスマートフォンを使っているときに指や手首が痛くなったとき、最初に浮かぶのは腱鞘炎を発症したことかもしれません。でも実は、指や手首が痛くなる症状が出てくるのは腱鞘炎だけではありません。この記事では、腱鞘炎以外に考えられる手指や手首の痛みが出る病気としてどのようなものがあるかを紹介します。

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手の指がズキズキ痛い…これって腱鞘炎?

指はよく使う部位のため、怪我をしたり痛みを感じたりする機会も多いかもしれません。その中でも指の痛みの原因としてよく挙げられるのは、腱鞘炎です。手の親指がずきずきと痛んで熱を持っているように感じたり、痛みがひどくものをつかむのが辛くなったりする症状です。

腱鞘炎は指の使い過ぎなどで起こる炎症です。炎症が起こる部位によって名前が異なり、指の付け根に炎症を起こすものを「ばね指」、手首に炎症を起こすものを「ドケルバン病」と呼びます。

「ばね指」では、指の付け根に痛みや腫れなどがあり、特に指を伸ばそうとするとする動きが辛くなります。重症になると、指が曲がったまま動かなくなってしまうこともあるようです。一方、「ドケルバン病」は、親指を動かすときに手首の親指側に痛みや腫れを感じます。親指も広げて手全体でものをつかんだり、ものをつまんだりする動作などが特に負担を与えます。

手の指の痛みや腫れ、腱鞘炎以外の原因は?

腱鞘炎以外にも、手や指に痛みや腫れを引き起こす病気はいくつかあり、それぞれ痛む部位や痛み方に特徴があります。ここでは、①「へバーテン結節」②「関節リウマチ」③「拇指CM関節症」④「乾癬性関節炎」⑤「外傷(骨折、突き指など)」の5つを紹介します。

① へバーデン結節

指の関節の中でも、指先から最初の関節である第一関節に症状が表れるものです。第一関節は、ものをつまんだり、皿やコップを持ったりしたときに使われる場所ですが、そこに腫れや変形、痛みなどが表れます。小指だけに出たり、またはすべての指に出たりするケースがあります。

② 関節リウマチ

関節リウマチは、免疫異常によって間接の滑膜に炎症が起こる病気です。異常に増殖した滑膜が周囲の軟骨や骨を破壊し、関節の変形を起こすため手の指などの関節が腫れて動かしにくくなります。特徴的なのは、これらの症状が朝起きたときに出やすいことで「朝のこわばり」と呼ばれています。

③ 拇指CM関節症

拇指とは親指のことで、拇指CM関節症は親指の付け根の骨が出っぱる病気です。親指をつかう動作のとき、手首にある親指の付け根付近に痛みが走ります。進行するとそのあたりが膨らみ、親指が開きにくくなったり、親指の指先の関節が曲がったりします。使い過ぎや老化などで起こる、関節軟骨の摩耗が原因といわれています。

④ 乾癬性関節炎

乾癬性関節炎は、乾癬の皮膚症状と関節症状が現れる病気です。乾癬は、皮膚の炎症によって少し盛り上がった赤い発疹の上に、フケのようなものがくっついてポロポロとはがれ落ちる病気です。この乾癬の症状と関節の痛みが同時に現れることもあれば、関節の痛みが先に現れる場合もあります。

⑤ 外傷

軽い捻挫や靭帯の損傷、脱臼、骨折など、いわゆる怪我を負うことで痛みがある場合もあります。痛みとともに腫れをともなう場合が多いですが、骨折などの場合は、骨が近くの神経を刺激するしびれなどもあるかもしれません。外傷が原因の場合、「何かにぶつかったた」「転倒した」など、怪我をしたときの心当たりがあるため、原因に気づきやすいともいえるでしょう。

おわりに:手の指が痛む病気はあるのは腱鞘炎だけではありません

手の指が痛む病気の中で代表的なものとして、指の使い過ぎなどで起こる腱鞘炎があります。手の親指がズキズキと痛んで熱を持っているように感じたり、痛みがひどくものをつかむのが辛くなったりします。ただ、腱鞘炎のほかにも、へバーデン結節や関節リウマチなど、手の指に痛みがある病気はいくつか考えられます。手指の痛みが気になったら、まずは整形外科で診てもらい、原因に合う治療を行いましょう。

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