記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
骨粗しょう症は、骨を破壊する細胞である破骨細胞と、骨を作る細胞である骨芽細胞のバランスが崩れることによって起きます。今回は骨粗しょう症に使用されることのある副甲状腺ホルモン製剤のはたらきや副作用などをご紹介します。
「骨形成」とは骨芽細胞によって骨が新たに作られる過程のことで、「骨吸収」とは骨が壊される過程のことをいいます。副甲状腺ホルモンは骨吸収を促し、骨のカルシウムが血液中に溶け出すことによって血液中のカルシウム濃度を上げるはたらきがあります。そのため、副甲状腺ホルモンが常にある状態の場合、骨吸収によって骨がもろくなることがわかっています。
しかし、断続的に副甲状腺ホルモンを投与し、副甲状腺ホルモンの濃度を一時的に高めると、骨芽細胞が増えて骨形成が促されることが知られています。副甲状腺ホルモン製剤は、骨粗しょう症の治療薬であり、断続的に副甲状腺ホルモンを投与する薬です。ただし、投与期間を長くしたり、投与量を過度に増やしたりすると骨肉腫の発生率が高くなる恐れがあるため、薬ごとに投与を行う最長の期間が定められています。
副甲状腺ホルモン製剤として、主に以下のようなものが挙げられます。
基本的には病院やクリニックなどで1週間に1回、注射による投与を行います。投与の最長期間は24ヶ月とされています。
基本的には病院やクリニックなどで1日に1回、注射による投与を行います。投与の最長期間は24ヶ月とされています。
副甲状腺ホルモン製剤による主な副作用には、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃炎、また眠気や頭痛、めまいなどが挙げられます。また非常にまれにですが、アナフィラキシーが起こる場合があります。もしアナフィラキシーが起こると、蕁麻疹や皮膚のかゆみ、動悸などがみられることもあります。このような症状がみられたら、すぐに医師や薬剤師へ相談しましょう。
副甲状腺ホルモン製剤は、断続的に投与すると骨の形成が促されて骨粗鬆症を改善する効果があることが明らかになっています。ただし投与できる期間の上限が決まっていますし、副作用として吐き気や王と、食欲不振といった症状がみられることが明らかになっています。医師の指導のもと、用法・用量を正しく守って服用しましょう。