記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/7/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
老化や病気の原因など、ネガティブなイメージとともに「活性酸素」という言葉を聞いたことがある人は、多いのではないでしょうか。
今回は活性酸素とは何か、私たちの体に対しどのような役割・作用を持っているのかを、活性酸素を減らすためにできる対策とあわせて解説していきます。
活性酸素は、他の酸素に比べて殺菌力が高く、細胞を酸化させる力が強い酸素のことです。私たちが呼吸から取り込む酸素全量のうち、約2%が活性酸素になると言われ、体内で細菌やウイルスと結びついて酸化させ、撃退して体を守る役割を担っています。しかし一方で、増えすぎると体に害を与えない正常な細胞や遺伝子をも攻撃して酸化させ、以下のような疾患の原因となるといわれています。
一般的に、活性酸素は老化や病気の発症にかかわる、悪い物質として認知されがちです。しかし前述の通り、免疫機能の一部として体を守っている他、細胞間のシグナル伝達や排卵・受精、細胞の分化などを活性化させる役割も持つ、体に必要な物質でもあります。
このため、「老化や病気の原因になるから」と安易に考え、活性酸素を悪者と決めつけて、完全に体から排除しようとするのは間違っています。マイナス面ばかり注目されがちですが、活性酸素は体にとってプラスになる側面も持っている物質であることも押さえておきましょう。
活性酸素による老化や疾患発症などの弊害を予防するには、活性酸素が体内で増えすぎないようにすることが大切です。活性酸素を増やしすぎない方法のひとつに、まず「食事」があります。日々の食生活においては、抗酸化成分と呼ばれる以下の栄養素を豊富に含む飲みもの・食べものを、積極的に食べるようにしましょう。
抗酸化成分は、食事の副菜となるような野菜類や果物、飲みものなどに多く含まれています。一部だけをたくさん摂るのではなく、日々の食事のなかにうまく取り入れて、毎日少しずつ摂取できるようにしましょう。
私たちの体は年齢を重ねるにつれて、活性酸素が増えやすくなります。年齢以上の老化や病気の発症を防ぐためには、加齢にあわせ、活性酸素が増加しないよう生活習慣にも気を付ける必要があります。
活性酸素の発生を抑えるために、前述の食事とあわせて、以下のポイントに気を付けた日常生活を送りましょう。
体に侵入した細菌やウイルスと結びつき、撃退して体を守る作用のある活性酸素は、必ずしも悪者ではなく、私たちの体の働きや免疫機能に欠かせない存在です。しかし一方で、増えすぎると無害な細胞や遺伝子とまで結びついて酸化させ、老化や疾患の原因になるとも言われています。この記事を参考に、加齢に伴って活性酸素が増えすぎないよう食事や日常の生活習慣を意識的に改善し、健康寿命を延ばしましょう。