間質性膀胱炎

2017/9/6

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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概要

間質性膀胱炎とは、膀胱に原因不明の炎症がおこり、頻尿や膀胱の違和感や痛みがおこる病気です。通常の膀胱炎は細菌感染が原因なので、抗生剤を使うことで治ります。しかし間質性膀胱炎は細菌感染が原因ではなく、抗生剤は効きません。

症状

間質性膀胱炎には、次のような症状があります。
・尿の回数が増える(頻尿)
・膀胱の違和感や痛み
・排尿後も尿が残っている感覚がある(残尿感)
・排尿時の痛み

痛みは膀胱や尿道で起こりやすいですが、膣や外陰部にも痛みが広がることもあります。

原因

間質性膀胱炎の原因は不明ですが、細菌やウイルスの感染によって引き起こされるものではないことがわかっており、膀胱粘膜の機能障害や免疫学的機序が原因と考えられています。
膀胱内層の欠損は間質性膀胱炎を引き起こす可能性があります。通常、膀胱内層は尿の毒性作用から膀胱壁を保護しますが、そこに異常があるために尿が膀胱壁に刺激を与え、間質性膀胱炎を引き起こす可能性があるとされています。ほかには、膀胱壁におけるヒスタミン産生細胞の増加または自己免疫応答(抗体がからだの一部に対して作用する場合)が原因の一つと考えられています。
ストレスは原因ではありませんが、症状を悪化させる可能性があります。

診断

間質性膀胱炎が疑われた場合、膀胱鏡を使った内視鏡検査が行われます。間質性膀胱炎では点状出血や粘膜が発赤していることが確認されます。また膀胱癌が原因で似たような症状を起こすこともあります。膀胱癌を見逃さないために、膀胱鏡検査や尿細胞診(尿中に癌細胞がないか、調べる検査)を行うことも大切です。

治療

間質性膀胱炎の治療法はありませんが、大抵以下の治療法を試した後に改善されます。

・内服薬:抗うつ薬や抗ヒスタミン薬、鎮痛薬が使われることが多いです。
・膀胱水圧拡張術:間質性膀胱炎では膀胱が萎縮してしまうので、水圧で拡張します。
・膀胱内薬剤注入:膀胱水圧拡張術とともに、ヘパリンやリドカイン、ステロイド、ボツリヌス毒素などの薬剤を注入することがあります
・膀胱全摘術+尿路変更術:他の治療法を行っても改善しない場合、膀胱を取り去ってしまうこともあります。
・食事療法:わさび、マスタード、唐辛子などの刺激物は避けた方が良いです。また柑橘類やコーヒーでも悪化する人もいます。自分の症状を悪化させる食品を特定できた場合は、その食品は避けるようにしましょう。

 

医師に相談するための質問

・膀胱癌の可能性はないですか?
・間質性膀胱炎に対して、どのような治療法がありますか?

この記事に含まれるキーワード

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