腰部脊柱管狭窄症

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

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概要

腰部脊柱管は、脚へつながる神経が通る、下部脊椎の内側の非常に狭い空間です。腰部脊柱管の周りの骨や組織は成長するため、時がたつにつれて腰部脊柱管はさらに狭くなります。この狭くなることを「狭窄」と呼びます。
腰部脊柱管が狭くなるとそこを通過する神経が圧迫され、背中の痛みや脚の痛み、衰弱を引き起こす可能性があります。関節炎や転倒、事故、脊椎の骨や関節の摩耗や裂傷も、腰部脊柱管狭窄を引き起こす原因となります。

腰部脊柱管狭窄症は椎間板ヘルニアと同じ?

腰椎脊柱管狭窄症は椎間板ヘルニアと同じものではありません。ヘルニア化した椎間板は、通常、一度に1つ~2つの神経を挟み込み、坐骨神経痛を引き起こします。坐骨神経痛は多くの場合、坐骨神経の経路に沿って、一方の脚に放散する背部痛を引き起こします。狭窄症は立ち上がったり歩いたりするときだけに痛みますが、坐骨神経痛はいつでも起こります。

症状

腰部脊柱管狭窄症を持つ人は、背中や脚の痛みや麻痺、または足の痙攣や、疲れを感じるかもしれません。重症の場合、便失禁や尿失禁を引き起こし得ます。
症状は通常、立っているときや歩いているときに現れます。座ったり、うずくまったり、胸に膝が引っ張られるような姿勢で寝ていると、症状がよくなることがよくあります。このような姿勢は脊柱管を開き、脚に行く神経からの圧力を取り除くと考えられています。

診断

問診によって狭窄があるかどうかを医師が知ることもできますが、診断のために特別な検査と脊柱のX線検査をすることがあります。

治療

腰部脊柱管狭窄症は、症状がどれくらい悪いかによって治療方法が異なります。痛みが軽く発症してからあまり時間がたっていない場合は、運動療法や理学療法が行われるでしょう。この療法によって、背筋を強化し姿勢を改善することができます。なお、背骨の炎症を軽減させる薬が処方されるケースもあります。

また、より重度の症状がある場合は、脊椎外科を受診する必要があります。背骨下部の神経を圧迫する手術を勧められることもあるでしょう。この手術は多くの人々に有効です。

医師に相談するための質問

・私の父には腰部脊柱管狭窄症がありました。私もかかる可能性が高いですか?
・腰部脊柱管狭窄症は予防できますか?
・腰部脊柱管狭窄症はどんな種類の薬で治しますか?
・腰部脊柱管狭窄症による痛みを予防または軽減するにはどうすればよいですか?
・腰部脊柱管狭窄症は悪化しますか?
・どのような運動が腰部脊柱管狭窄症に効果的ですか?

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