記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
性感染症は、感染症を持っている人とセックスをすることによって生じる感染症です。
性感染症は、通常、膣との性交を通じて感染しますが、アナルセックス、オーラルセックス、または肌と肌の接触により伝染することもあります。
また、ウイルスや細菌によって引き起こされる可能性もあり、 ウイルスは、B型肝炎、ヘルペス、HIV、ヒトパピローマウイルス(HPV)など、細菌には、クラミジア、淋菌および梅毒が含まれます。
パートナーが性感染症にかかっているかどうかはどうすればわかりますか?
気が進まないかもしれませんが、性感染は自分自身でしか守れません。 性的接触の前にパートナーに尋ねてください。 リスク要因としては、複数の相手との性交渉、注射に麻薬の使用や過去に性感染症に罹患していることが挙げられます。 また、自分が感染している場合、パートナーに伝えてください。 隠すことの益は何もありません。
性感染症の症状には以下が見られます。
・膣周囲のかゆみ、膣からの分泌
・男性の陰茎からの分泌物
・セックス中や排尿時の痛み
・骨盤周囲の痛み
・オーラルセックスした場合、喉の痛み
・アナルセックスをした場合、肛門または周囲の痛み
・陰部、肛門、舌、咽喉の硬性下疳(痛みのない赤いできもの)
・手の平と足の裏に出るうろこ状の発疹
・濃い尿や緩く明るい色の便、
・黄色い目と肌
・生殖器の小さな水疱
・腫れたリンパ腺、発熱、体の痛み
・原因不明の疲労、夜間の発汗、体重減少
・生殖器周辺の柔らかく肌色のいぼ
性行為を経験したことがある人は、感染のリスクがあります。 複数のセックスパートナーを持ち、コンドームを使わない人とセックスすると、リスクはさらに高まります。
診断は、医師の検査のもと、膣や陰茎からの分泌物の培養、血液検査を通じて行われます。
クラミジアのような細菌によって引き起こされる感染は、抗生物質で治りますが、ウイルス(HIVやヘルペス)に起因する感染症は治療できません。ウイルスが引き起こす症状を抑制できるだけです。
何より早期治療が大事で、深刻化するのを防ぎます。 薬が投与された場合、医師の指示通りに服用してください。
感染の懸念、または症状がある場合、医師に相談してください。 未治療のまま放置すると、深刻な事態を引き起こす可能性があります。
クラミジアは、女性が不妊症を引き起こす可能性があり、HPVは子宮頸部や陰茎のがん、梅毒は麻痺、精神的な問題、心臓の損傷、失明、さらには死に至る恐れがあります。
性感染症を防ぐ唯一確実な方法は、セックスしないことしかありません。 セックスをする場合、複数とセックスしていない人や感染していない人とのセックスに限定するだけで、感染の危険性は減少します。
また、口腔やアナルセックスを含め、コンドームは常に使用するべきです。
正しい使用で感染の危険性を減らすことができます。セックスをする際は、必ず使用してください。 女性用コンドームも男性用ほど効果的ではありませんが、男性がコンドームを使用しない場合、使用してください。
しかし、コンドームも100%安全ではありません。ヘルペスを起こす可能性のある傷やHPV感染の可能性があるイボへの接触を防ぐことはできないことを忘れないでください。
男性用コンドームの使い方
女性コンドームの使い方
セックスパートナーを限定してください。 パートナーに感染しているかどうか、過去に感染したことがあるかどうか尋ね、他のパートナーがいるかどうかも聞いてください。自身が感染検査を受けているかどうか、そして検査を受けた方がよいかどうかについても相手のために話してください。
常に症状を引き起こすとは限りませんが、セックスパートナーの感染症の徴候を探してください。 自身またはパートナーが感染症の治療を受けている場合、セックスはしないでください。
また、性行為の直後、性器を石鹸と水で洗い、排尿すれば、 菌を洗い流すのに役立ちます。
ノノキシノール-9を含む殺精子薬は、妊娠を予防するのと同様、性感染症を防ぐのに役立つと考えられていました。しかし、長年の研究により、ノノキシノール-9は、女性の膣と子宮頸管を刺激し、実際には性感染のリスクを高めることがわかりました。
コンドームや潤滑剤など、自分が使用している性関連商品の成分を確認してください。 一部の製品にはノノキシノール-9が添加されている場合があります。 製品にノンオキシノール9や殺精子成分が含まれているかどうかわからない場合は、使用前に医師に相談してください。