真菌(酵母型真菌)感染症

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

膣真菌感染症は、カンジダ・アルビカンスと呼ばれる真菌によって引き起こされます。 この真菌は、通常、皮膚上および膣内に少数しか存在しない小さな生物です。膣の酸性環境は、真菌の増殖を防ぐのに役立ちます。 膣の酸性度が低下すると、非常に多くの真菌が繁殖し、膣感染症を引き起こす可能性があります。
真菌感染症は非常に一般的ものであり、一生のうち、4人の女性のうち3人の割合で感染します。半数の女性が、生涯にわたって複数回感染するといわれています。

症状

真菌感染症の症状がある場合、医師は症状について説明し、真菌感染が原因であるかどうかを確認するため検査をします。
真菌感染は非常に不快なことがありますが、通常は深刻な症状のものではありません。症状は次のとおりです。
・膣や外陰部周辺(膣を取り巻く肌)の痒みや灼熱感
・カッテージチーズのような白い膣分泌物
・性交中の痛み
・外陰部の腫脹

原因

膣の酸性バランスは、月経、妊娠、糖尿病、ビデ製品、抗生物質、避妊薬、ステロイドの使用によって変化します。 膣周辺の湿度が高くなったり、刺激を受けた場合も、真菌の繁殖を促すようです。
真菌感染症の再発を防ぐためにできることはいくつかあります。
・合成素材で作られた服や、ぴったりした服を着用しない
・綿のショーツをはく
・毎日ストッキングやレオタードを着用しない
・入浴やシャワーを浴びた後は、服を着る前に生殖器の領域を乾燥させるために、低温・冷風設定でドライヤーを使用して乾かす
・トイレを使用した後は、前から後に拭く
→これは、直腸に通常住んでいる細菌が膣に入るのを防ぐのに役立ちます。
・できるだけ早く、濡れた水着や湿った服を着替える
・ビデをしない。また、女性用の衛生用スプレー、消臭用の生理用ナプキンまたはタンポンを使わない
また、色柄や香料付きのトイレットペーパーを使用しない。 こうしたものは、膣内の酸性度バランスに影響を与え、真菌感染を引き起こす可能性があります。

治療

真菌感染症は、通常、膣挿入薬で治療することができます。 この薬は、特殊なアプリケータを使って膣に挿入するクリームタイプか、膣に入れて単独で溶解することができる座薬タイプのものです。 クリーム形状の薬は、かゆみを和らげるために外陰部に塗ることもできます。 錠剤が処方されることもあります。

関連質問

真菌感染症になるたびに診察を受けたほうがよい?

真菌感染症に初めて感染したときは、必ず医師に相談してください。真菌感染症より深刻な、他の感染症ではないことを確認することはとても重要です。真菌感染症の症状は、性感染症(STI)などの他の感染症と同じような症状が出ます。 他の感染症を実際に抱えているときに真菌感染症を治療すると、症状をさらに悪化させる可能性があります。
たびたび真菌感染と診断されている場合は、処方箋なしで購入できる、症状を緩和する薬を使うことについて医師に相談してください。
まれですが、セックスを通じてパートナーに真菌感染症を感染させることがあります。 パートナーが真菌感染症の症状を発症し始めたら、治療法について医師に相談してください。

医師に相談するための質問

・この症状は真菌感染症でしょうか?
・性感染症などの検査が必要ですか?
・真菌感染の原因は何ですか?
・どんな治療法をお勧めしますか? 市販薬を使用することはできますか?
・パートナーも治療を必要としますか?
・セックスをするのは安全ですか?治療を終えるまで待つべきですか?
・真菌感染症が再発したらどうすればいいですか? もう一度診察する必要はありますか?

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