耳管の機能不全

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

耳管は耳(咽頭)の上部と中耳をつなぐ小さな管です。くしゃみや嚥下、あくびをしたときに、耳管が開き、空気が通るようになります。しかし、耳管が詰まることがあります。これを、耳管の機能不全と呼びます。これが起こると、音が聞こえず、耳づまりや耳の痛みを感じることがあります。

症状

飛行機に乗っていると高度が変化するため、症状が悪化することがあります。また、エレベーターに乗ったり、山道をドライブしたり、ダイビングしたりすると、症状が悪化する可能性があります。
・耳詰まりや膨らみを感じる。
・音が聞こえにくくなる。
・耳の中がはじける感じ(子供は”耳がくすぐったい”と表現します)。
・片方または両耳の痛み。
・耳鳴り。
・バランスを保つのが難しい場合がある。

原因

耳管の機能不全の最も一般的な原因は、風邪、インフルエンザ、副鼻腔感染症またはアレルギーにより、耳管に過度の粘液がたまったり、炎症が起きることです。

耳管の機能不全のリスクの対象者

子どもの耳管は成人のものよりも短く真っ直ぐなので、子どもの耳管の機能不全のリスクはより高くなります。これにより、細菌が中耳に到達しやすくなり、液体がそこに溜まります。また、子供の免疫システムは完全に発達していないので、感染症と戦うのは困難です。
喫煙や肥満も危険因子です。喫煙は繊毛(中耳から粘液を鼻の後部まで掃除する小さな毛)を損傷します。これにより粘液が耳管に溜まってしまいます。また、肥満の人は、管の周りに脂肪沈着があると、耳管の機能不全につながる可能性があります。

診断

医師は、症状に関する問診によって、耳管の機能不全を抱えているかどうかを調べます。また、外耳道と鼓膜、鼻腔と喉の裏を調べます。

治療

耳管の機能不全の症状は、通常治療なしで消えます。嚥下や授乳、ガムを噛むなどの耳管の運動は、耳管を開くのに役立ちます。また、口を閉じ、鼻を摘まんで深呼吸をすることで「耳詰まり」感を和らげることができます。

赤ちゃんが耳管の機能不全を抱えていると思う場合は、嚥下反射を促すためにほ乳瓶やおしゃぶりを与えてください。
こうした方法が役に立たない場合、医師は以下のような治療法を提案する場合があります。

・充血除去剤を使用して管の内面の膨張を減少させる。
・アレルギーが原因の場合、抗ヒスタミン剤を服用するか、ステロイド鼻スプレーを使用してアレルギー反応を軽減する。
・鼓膜に均等な耳圧を維持するための圧力均等化チューブ(PET)を埋め込む。
・鼓膜に小さな切開を作り、中耳の液体を吸い出す。これは、鼓膜が治癒している間(通常は1〜3日)、耳管の内側を覆っている時間を短縮させる。

予防

耳管の機能不全はどのように予防できますか?
アレルギー、風邪やインフルエンザの症状など、粘液や閉塞の根底にある原因を治療することで、耳管の機能不全が発症する危険性を減らすことができます。

医師に相談するための質問

・耳に膨張感があり、あくびをしても良くなりません。耳管の機能不全ですか?
・子供の症状を軽減させるために私にできることはありますか?
・子供が耳管の機能不全と診断されました。これは、耳の感染症があることを意味しますか?
・旅行するときに気をつけるべきことは何ですか?
・アレルギーは耳管の機能不全を悪化させますか?
・耳管の機能不全を治療する最良の方法は何ですか?

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