アデノイド肥大

2017/3/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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概要

アデノイドは、喉の後部の小さな組織です。
アデノイドは扁桃の上や鼻の通路の近くにぶら下がっています。喉の後ろを見ると、扁桃を見ることができるかもしれませんが、アデノイドは見ることができません。

生まれてから幼稚園に入る頃まで、アデノイドは体内における感染を防ぐ機能を担います。その後、アデノイドはサイズを縮小し、健康上大きな役割を果たすことはなくなります。アデノイドは肥大するまで目立ちませんが、スポンジのような役割を果たしているため、病原菌を捕まえるとサイズが大きくなります。たいていの場合、アデノイドは再び健康になったときに正常なサイズに戻ります。時々、腫れたり拡大したりして、病気になることがあります。

症状

アデノイド肥大の症状には、以下のようなものがあります。

・喉の痛み
・鼻づまり
・耳が閉ざされたような感じがする
・睡眠障害
・嚥下困難
・腫れた首腺
・睡眠時無呼吸
・唇のひび割れ、乾き(鼻が詰まっているときに口を通って呼吸しなければならないため)

原因

アデノイドに病原菌が付着すると、アデノイドは大きくなります。基本的には、アデノイドは再び健康になったときに正常なサイズに戻ります。腫れたままや拡大したままだと、問題になることがあります。

診断

まず、鼻づまりや喉の痛みなどの詳しい症状を医師に伝えてください。

診断では、喉の後ろを見ます。アデノイドをよりよく見るために、鏡を備えた特別なスコープを使用する場合もあります。このスコープは、薄く柔軟な素材で作られ、鼻と喉の後ろに挿入されます。不快感があるかもしれませんが、苦痛はありません。

また、症状によっては血液検査をするケースがあります。
ほかにも、睡眠検査をする場合もあります。アデノイド肥大が睡眠障害の原因となっているのか、睡眠時無呼吸のような深刻な症状かを判断するためです。

治療

年齢やアデノイド肥大の期間に応じて、「アデノイドの大きさを経過観察するのみ」とするか、「鼻スプレーを処方して腫れを改善させる」かが決まります。なお、耳や喉の感染症、呼吸障害、閉塞性睡眠時無呼吸が頻繁に発生する場合には、アデノイドと扁桃を同時に切除する手術が行われることもよくあります。

「(子どもは)アデノイド肥大だけれども手術が必要ない」という場合は、抗生物質が効いているのかもしれません。この場合、子どもが10代になるまでにはアデノイドは実際にはほとんどなくなるでしょう。アデノイドは年を取るにつれて縮小するのが一般的です(通常は幼稚園に入る時期には小さくなっていきます)。

予防

アデノイド肥大は子どもにはよくある症状ですが、成長するにつれて改善していきます。予防のためにできることは何もありません。しかし、喉の痛みや耳の感染の早期治療に努めることで、医師がアデノイドの大きさを観察し、不快感を軽減するのに役立ちます。

医師に相談するための質問

・アデノイドを肥大させるものは何ですか?
・選択手術として肥大したアデノイドを取り除くことはできますか?
・アデノイド肥大は遺伝性ですか?
・大人では手術の回復時間は長引きますか?
・アデノイド肥大と喉頭炎の間には関係がありますか?

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鼻づまり(24) アデノイド肥大(6) 喉の痛み(15) 扁桃(2)