小血管疾患

2017/3/17

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

概要

冠動脈微小血管疾患とも呼ばれる小血管疾患は、心臓の細い動脈に影響を及ぼす疾患です。 これらの細い動脈は、運動するとき、または精神的に興奮した時とき、心臓に余分な血液を提供するように拡張し、休息しているときは収縮します。
小血管疾患は、これらの細い動脈の狭窄によって引き起こされます。そしてこの狭窄は、動脈の攣縮、動脈壁の損傷、または動脈壁の脂質物質(プラーク)の蓄積によって引き起こされる可能性があります。
小血管疾患は、冠動脈疾患と同じものではありません。 冠状動脈疾患は、心臓の大動脈に影響を及ぼします。 これらの太い動脈は常に酸素が豊富な血液を心臓に運ぶ役割があります。 これらの動脈が閉塞したり狭まったりすると、心筋は正常に機能するために必要な血液や酸素を取り入れることができなくなり、 心臓発作を引き起こす場合があります。

症状

小血管疾患の最も一般的な症状は狭心症で、胸の圧迫した痛みや圧迫感を感じます。 狭心症が胸、腕、首、顎または肩の痛みによって汗をかき、呼吸が困難になることがあります。心臓発作の症状と似ていますが、通常は運動中または活動中に起こります。
小血管疾患の他の症状には、以下のものがあります。
・失神
・ふらふらしたり眩暈がしたりする感じ
・疲労
・息切れ
治療せずに放置すると、小血管疾患により、心臓が血液を送り出すのをより困難にすることがあり、心臓発作や心不全の危険にさらされる可能性があります。

原因

女性は小血管疾患のリスクが高いです。 これはホルモンの濃度のためであり、リスクは閉経後に増加します。 その他のリスク要因には、以下のものがあります。
・肥満
・高血圧
・高コレステロール濃度
・運動不足
・糖尿病
・喫煙

診断

小血管疾患の症状がある場合は、医師に相談してください。 医師は、太い冠動脈の詰まりによって症状が現れていないか確認するための検査を行います。
胸の痛みが胸部から顎、左腕または左肩まで広がっている場合は、直ちに医師の診断を受けてください。

治療

小血管疾患の場合、医師は薬を処方して症状を管理し、動脈の狭窄を防ぐことができます。 動脈は非常に細いので、手術は行いません。
医師は、どの薬があなたにとって最善であるかについて伝え、体調を監視するために、定期的な診察を行います。

予防

小血管疾患を予防する最善の方法は、リスクファクターをコントロールすることです。 これには、以下のものが含まれます。
・太りすぎている場合は減量する
・喫煙しない:ニコチンは血圧を上げます。なぜなら、アドレナリンを放出し、それによって血管は収縮し、心臓はより速く鼓動します。 喫煙している場合は、医師に、禁煙の計画を立てるよう依頼してください。
・血圧を管理する:高血圧がある場合は、医師は血圧を下げる方法を提案します。 高血圧のために薬を服用している場合は、医師の指示に従ってください。
・コレステロール濃度を改善する。:健康的な食事と運動は、悪玉コレステロール濃度を低下させ、善玉コレステロール濃度を高めることができます。 それが効果が出ない場合は、医師がコレステロール濃度を改善するための薬についてアドバイスします。
・運動:定期的な運動は心臓を強くし、心臓病のリスクを減らすことができます。 運動は、高血圧を患っている場合にも役立ちますので、 始める前に、適切な種類の運動について医師に相談してください。 毎回少なくとも30分間、週に4〜6回の運動をすると効果的です。
・健康的な食事:体は飽和脂肪をコレステロールに変えるので、コレステロールと飽和脂肪が少ない食べ物を食事に加えてください。
・糖尿病の場合は血糖値をコントロールする

医師に相談するための質問

・小血管疾患の原因は何ですか?
・自分の症状を緩和するのに家庭でどのような生活習慣の変更が必要ですか?
・現在の状態で運動するのは安全ですか? また、どのように運動を始めることができますか?
・どんな治療法が最適ですか? 薬が必要ですか?
・処方している薬は、すでに飲んでいる薬と相互作用しますか?
・状態が悪化していることを示す症状は何ですか?
・小血管疾患によって、長期的な病気のリスクにさらされますか?

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